パラダイスに溢れた波の下へ潜るためにはジェイメンには命の危険がかなり高いハードルを乗りこえなければなりませんでした。
ジェイメンさんの障害は四肢麻痺です。
事故の時に第五、第六頸椎を固定する手術をしています。左手は持ち上げようとすればできても右手は持ち上げようとすると垂れ下がってしまうのです。両手とも開いたり閉じたりすることができません。
潜水でリスキーな事は海水が肺に入ったときに自力の咳をして吐き出せないこと体温調節ができないことでした。
ジェイメンさんは挑戦しました。
道具の扱いやウェットスーツに慣れること、プールに入ってシュノーケルをつけた状態でも大丈夫か、健康診断をクリアにするといくつもの難関を突破しなければ生粋の海の子は、海へ潜ることはできませんでした。
無謀な挑戦かもしれないけどすべてを挑戦しました。家族の支えと潜水プロチームの支えのなかで挑戦しました。
そして大成功しました!
彼は海へ戻ることができました。
障害や闘病を経験した人たちが輝く姿はどん底に落ちたところからの再出発です。一旦、死の縁ほどまで行き着いて絶望感を味わいます。
それまでの暮らしが壊れてしまうほどの環境に置かれます。やりたいことを夢半ばで諦めなくてはならなかったり道半ばで終わることになります。
人間関係も表面的な関係は離れていきます。ふるいにかかったように本当に自分を愛してくれる友達や家族や同僚さんなどが残っていきます。
絶望感から立ち上がってまた自分の命を生きようと決心して何年も何年も積み上げて成りたい自分の姿までたどり着きます。
事故や闘病から再生を果たした人たちが輝く姿は
ほぼ全員が体験しています。
どんな風にしんどくても粘り強く諦めなかったから再生を果たします。諦めたらその瞬間に未来へ向かう扉は開きません。
ジェイメンさんのドローン撮影で捉えた海洋生物の姿は私もかつて映像で見たことがないほどに胸を熱くさせます。写真や映像は心の鏡です。撮影する人の心の美しさがそのまんま反映されます。
見る者の心を鷲掴みにするピュアな作品たちです。ぜひぜひ、見て見てくださいね。