菊①を添削していただいた。

花びらはよくできている。

葉はもっと筆先に濃墨をつけて、濃淡のメリハリが出るように運筆するとよいと教えていただいた。

『菊の葉は五岐四分といって、1枚の葉に四つの分かれ目があり、まるで5枚に岐(わか)れているように見える。また、葉の付き方も様ざまで、他の植物の葉に比べ書き方が難しいとされるが、必ずしも写生のように描くことはない』

とはいっても、私の描く菊の葉はどこかニセモノのようだ。調墨も未熟だが、葉形がそもそも菊の葉に見えない。

菊の葉ってどんな形だった?いや花も確たるイメージが私の中にないことに気付く。

菊の姿を、私はじっくり見たことがないのだ。

菊に限らず、練習してきた椿、春蘭、竹、梅もじっくり鑑賞したことがない。水墨画はひたすらお手本を練習するものと、深く考えずにこれまでやってきたけど、いまいち肚落ちしない部分が各課題であって、お手本を見るだけでは、お手本のように描けない(例えばこの菊の葉では、葉の「向き」が正直わからず、運筆も不確かなまま)のは、実物を知らないからだと、思う。

課題のものは極力観察するよう心掛けよう。お花を活ける。普段から、興味のアンテナをちょっと立てて、写真を撮る、メモする...。