ある性的ニオイフェチのフィールドワーク物語 -3ページ目

Ficter 14 興奮のシチュエーションのあとには、同量の切なさが待っていた ──みか──

----------------------------------------------------------------------江藤メール
みか:22歳
身長163cm、体重52kg、84-60-87のCカップ、スタイルのよい女性です。
髪はショートのストレートで、広末涼子に似た感じの、目のパッチリしたかわいい女性です。
Deep××・生××・×× OKです。
感じやすく、よくぬれる方で、××の感じもよかったです。
H自体も好きなようですが、特にキスは好きみたいで、自分から舌を積極的に
入れてくるところが特によかったです。
見た目は真面目そうな感じで、実際、これまでは経験もほとんどないようです。
よくしゃべる明るい女性で、時間があれば食事・お酒の同伴も可です。
若くて真面目そうな明るい女性をご希望の方、キスの好きな方におすすめです。
希望場所は、××・××です。
会える時間帯は、曜日関係なく18:30~22:00内です。
連絡先は携帯です(要番号通知)。
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12月3日
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みか 22歳 090-‥‥-‥‥
連絡する時間帯は、18:00~22:00位にお願いします。留守電になっているときは、「江藤の紹介で電話した○○ですが、──へ電話ください」と入れておけば、折り返し電話すると思います。
電話番号非通知の場合は出ないそうですので、必ず番号通知にしてかけてください。
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12月4日
 お昼過ぎに電話した。みかが出た。仕事中だということで、今は話ができないとのこと。
 夜7時半頃に電話を入れた。ルス電だった。
 「もし、明日空いてたら、どうですか。」
 21時頃、みかから電話が入った。明日も仕事なので、夕方5時だったら大丈夫だという。
 「日曜も仕事?」と、僕は聞いてしまった。
 仕事か……。 他の男? この勘ぐりは、毎度のことだ。
 少なくとも直前にシャワーを浴びられていては困る。この一点が、僕にとっていちばん重要なのだ。

 

12月5日 
 今や僕にとって定番の待合せ場所である駅北口で、みかに会った。
 確かに、プロフィールにあるように広末涼子にどこか似ている。広末涼子を少し素朴にした感じで、顔にちょっとだけにきびの跡がある。女の子としての魅惑力を使った器用さや技を持っていなさそうな雰囲気だ。
 僕で3人目だと、彼女は言った。
 ホテルの部屋に入ると、少しおどおどした様子で、僕の目をじっと見ている。
 ‘シャワーに行かないで、このままで’という僕のリクエストには、最初はやはり抵抗したが、なんとか受け入れてくれた。たぶん彼女は、まさか洗っていない汚いあそこを舐めてくることなんてないだろうと、鷹をくくっていたのだろう。
 どうあれ、とにかく希望した状態で始めることができた。
 戯れて、お互いがそのムードになれば、勢いで、僕の目的は果たせるはず。
 まずキスだ。プロフィールにある通り、彼女から舌を入れてきた。本能的なキスだ。キスで興奮し、キスで濡れるタイプの子のようだ。
 さて、いよいよ、僕は始めることにした。
 まず、彼女の脇の下を舐めようとした。
 やはり拒否してきた。健全な反応だ。でもこの衝動を止めるわけにはいかない。
 思わず「お願い。」と言って、僕は、左の脇は舐めた。汗の匂いだ。この子は、朝からシャワーを浴びていなくて、仕事を終えてそのまま来ている。そのことが、このかわいい汗臭さで証明された。が、あまりに嫌がるので、それ以上は押せなかった。
 まぁいい。ここはすぐにメインディッシュに行くべきだろう。第一希望を後回しにしてろくなことはない。これは、みずほの時(Ficter 9)に学習済みだ。
 僕は、みかの股に顔を持っていった。彼女は、あわてて股を手で隠した。パンティの上から、少しおしっこの匂いがした。ここまできて引き下がることは、当然この衝動が許さない。強引に何度か舐めようとしたら、ついに彼女も堪えられず、「お風呂入ってないからダメ。」と言った。
 これだ。この言葉だ。
 ‘お風呂に入ってないからダメ’。
 何て、かわいい、いじらしい言葉だろう。お約束的なセリフやプレイではなく、自然な感情からのこの言葉を、僕はついに女の子に言わせたのだ。
 このシチェーションでのこの言葉が、女の子の股の臭いをこの上ない興奮の材料ととする錬金術なのだ。
 僕は、みかのパンティを脱がした。みかは観念した様子を見せた。
 僕は、みかのその洗っていない生のまんこを嗅ぎ、舐めた。
 かつてナポレオンがチーズの匂いで錯覚したようなあのまんこ独特の匂いはなかった(ちなみに、僕は、日本人の一般的なまんこの匂いは、ファーストフードのフライドポテトに似ていると思っている)。
 みかの場合は、ただ、おしっこの拭き残しの匂いがするだけだった。それでも、IMF値(Ficter 4 参照)マックスの興奮だ。
 かなり濡れていた。やはり。この子は、性欲が強い。ヌルヌル系の愛液だった。何度か舐めた。そして吸った。
 入れて、シェイクしている時、みかの足指を舐めようとしたが、「ダメ!」と、きっぱりとした口調で拒否してきた。それを舐めてこその興奮なのだが、さっきの脇の時と同様、それ以上押せなかった。《まだまだ甘いな、俺は》
  
 「また連絡していい?」と、僕が言ったら、彼女は一瞬戸惑った表情をした。
 微妙な間のあと、みかは、「江藤さんの紹介でってことだよね。」と、確かめるように言った。僕は、「もちろんだけど。」と反射的に答えた。
 あとで思えば、僕の次への誘いを、彼女は、僕が普通のデートあるいは交際を求めているという意味で取っていたのだった。
 《しまった…》
 その時の僕の正解の言葉は、「えぇ? 普通のつきあいとして会ってくれるの?」だった。
 敢えて憶測すれば、おそらく、みかは、現在交際相手がいなくて、寂しさと欲求不満の日々を送っていたのだ。今回、江藤のシステムに乗っかったのも、そんな空しくて悶々とした日々から脱却したいという動機があったからなのだろう。
 紹介文の‘見た目は真面目そうな感じで~’という江藤の印象は、的を射ていたのだと思う。真面目だからといって、性的欲求が薄いということにはならない。
 みかは、性格は真面目で、セックスは本能的に燃えるという、いわゆる‘いい女’だったのだ。
  
 僕は、ホテルに一人残った。
 みかが帰ったあと、僕は、寂しさと後悔の中で佇んでいた。
 みかは、これから、どんどん穢れていくのだろうか。擦れていくのだろうか。
 そう思うと、ますます、胸が絞まった。
 
12月7日
 夜8時前に、みかに電話した。何とこの時間に仕事中だという。また電話すると言って、僕は切った。
 僕から電話できなかった。心の内で、僕は、みかからの電話を待っていた。
 今や、僕の心の多くの時間が、みかのことで占められている。
 明日、僕は、みかに電話せずにはいられないだろう。
 あの上品な唇。ねっとりした愛液。もう一度会いたい。
  
12月8日
 夜の10時に電話した。ルス電だった。
 気がついたら、もう、12時前だ。
 寂しい。もう会えないのか。
 あの子は、もう僕に会いたくないのか。
  
12月18日
 15時頃、電話を入れた。みかが出た。仕事中だという。バックの騒音と音楽が、居酒屋の雰囲気を思わせた。
 僕が名乗ったら、しばしの戸惑いとも取れる沈黙があった。
 また夜電話をすると言って、僕は切った。
 
 21時に電話した。2、3回鳴ったあと、ルス電になった。
 「──です。明日もしスケジュールが空いてたら会いたいんだけど。よろしく。」
 返事はなかった。
 「また振られた」と思わず声が出た。
 でも、まだ希望はある。昼間、僕と特定できる番号通知で、あの娘は出たのだから。
 とにかく、会いたいんだ、僕は、あの子に。
 
12月20日
 夜の9時過ぎに電話した。ルス電だった。夜電話すると必ずルス電だ。
 「今週の木曜、空いてたら会いたいんだけど。」
 ノー・リプライだった。
 
12月29日
 夜7時前に電話した。ルス電になっていた。
 「江藤さんから紹介を受けた──です。明日は、スケジュール大丈夫でしょうか。連絡ください。番号は‥‥‐‥‥です。」
 
1月5日
 夜7時15分頃、電話した。みかが出た。
 「みかさんでしょうか?」と聞いたら、いきなり切られた。
 僕に、‘終了’以外のどんな解釈も許さない意思表示だった。