マレーシアで On the way.「今、向かっている」の正しい訳は?? | INJカルチャーセンターのブログ

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 Selamat tengah hari. (みなさん、こんにちは!) INJマレー語講師のアミルンです。

 

 今回は、マレーシア人が日常的によく使っているけれども、もともとの意味とはかけ離れた使い方をしている表現を紹介したいと思います!

 

 みなさんは、マレーシアで英語の On  the way! という表現を聞いたことがありますか?普通なら、「今、向かっている!」とか「今、家を出たところ!」という意味になりますね。しかし、マレーシア人と待ち合わせをして、その友だちが待ち合わせの場所にまだ来ていない時に、「今、どこ?」というメッセージ送って、On the way! という返信が来たら、「今、向かっている!」と解釈しない方がよいです。

 



 一般的に、日本人に比べてマレーシア人は時間にルーズな人が多く、Malaysian Time(マレーシア時間)という概念を信じています。Malaysian Time (マレーシア時間)にはゴムのように柔軟な性質があり、時間に正確であることよりも、臨機応変に対応することが重要とされています。その理由は、歴史を振り返ると容易に見えてきます。たとえば、マラッカの富と壮大さは、忍耐と待機の上に築かれたと言われています。なぜなら、貿易やビジネスが主にモンスーンに左右されるこの国では、時間や期限に追われることは全く意味がなく、物事は起こるべくして起こり、風は吹くべくして吹くと考えられていたからです。このような時間に対する概念は、今でもマレーシア人の中に残っており、同時進行でいくつもの予定を入れてもいい、つまり、予定がかち合ってバッティングしてもいい、「オンタイム(定刻)」より「インタイム(いつかそのうちに)」の方がいい、物事が遅れたり当初の予定より時間がかかることがあっても、それはそれでいい、と多くのマレーシア人は考えています。

 さすがにフォーマールな場面ではMalaysian Time (マレーシア時間)の概念は全く関与していませんが、友だちとの約束などインフォーマルな場面では、マレーシア人が待ち合わせの時間に20~30分遅れて来ることは日常茶飯事です。すなわち、マレーシア人であれば、ほぼ全員、友だちを待たせた経験があるし、友だちに待たされた経験もあります。そのため、マレーシア人は、待ち合わせの場所で On the way! のメッセージが送られてきても、実は、「今、シャワー浴びているところ!」「まだベッドの上だ!」というように解釈をしているのです。
       

 

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