สวัสดีครับ サワディクラップ!
INJタイ語講師のゴーです。
今回はタイ人の名字(ファミリーネーム)について書きますね。
日常生活においては、タイ人は家族や親しい友人の間ではニックネームで呼ばれています。しかし、縁故(コネ)が重要なタイでは、対外的な依頼や就職活動においては、実は、名字が大きな影響力を持っています。特に有名な家系の名字はブランドのように絶大な効果を発揮します。
タイ人が名字を使用するようになったのは、ラーマ6世によって1912年に制定され、翌1913年に施行された名字法によります。名字法により、まずは国王から王族や公務員に6300ほどの異なる名字が与えられ、同じ家系でのみ同じ名字を使用するようになりました。その後、庶民の間にも名字を付けることが広まり、タイ国民は身分を問わず名字を持つようになりました。
日本では、佐藤さん、鈴木さんなど同じ名字を持つ人は200万人近くいますね。日本では同じ家系でなくても同じ名字を持つことができるからですが、タイは異なる家系同士で同じ名字を持つことはありません。
タイ人の場合、名前(ファーストネーム)は、子供の運が開けるように、親が僧侶や占い師などにお願いして名前を付けてもらいます。このことは、以前のブログに詳しく書いたので「僕の名前は3度目の名前」を読んでください。
一方、名字(ファミリーネーム)は、20才以上のタイ人であれば、名前にふさわしくない悪い意味でなければ、だれでも自分の好きな名字を自由に付けることができます。もちろん、僧侶や有力者にお願いして名字を付けてもらうこともあります。
しかし、昔からの名門の家柄の名字は、タイ人ならだれでも知っている名字なので、就職の際の履歴書やビジネスで使用する名刺にその名字が記載されていると、それを見たタイ人は、同じ名字を持つ著名人との関係を必ず聞いてきます。
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名門の家柄の名字になるには、結婚や養子など法的な場合のみで、タイ人の名字は名門の家柄であればあるほどその効果は絶大です。しかし、その一方で、名門の家柄で不祥事を起こした人がいてニュースになると、タイ人ならだれでも知っているその名字は不祥事と共に、またたくまに全国に広まって、その一門の名前に傷がついてしまいます。そこで、不祥事を起こした人を一門から追放するために、その人の名字を変えてもらうこともよくあります。
タイ人が名字を変えるには、まずはこれまでにない新しい名字を作ります。そして、その名字を役所に届けて同じ名字がなければ、名字変更が受理されて新しい名字を名乗ることができます。
このように、タイ人は、日ごろから、名前(ファーストネーム)はフォーマルな場面、ニックネームは家族と学校や職場の親しい人同士、名字(ファミリーネーム)は家柄を特定するためなど、状況に応じて名前を使い分けているのです。
タイに行ったら、タイ人がどのような時にどの名前を使っているかを注意して見てみると、その使い分けに納得することでしょう。
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『面白いほど身につくタイ語』(KADOKAWA)の共著者で日本語の堪能なゴー先生が、細かいニュアンスの違いなどもわかりやすく教えてくれます。
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