ラオス語講師のワンです。
今回はラオスの結婚式についてお話したいと思います。
私の友人がラオスで結婚したので、その時の様子をお伝えしますね。
ラオスでは、結婚式はまさに人生の一大イベントです。何か月も前から準備しなければならず、多額の費用もかかります。
それぞれの家によって異なりますが、招待客も通常は300名~1000名です。郵便事情のよくないラオスでは、招待状は家族、親戚、友人が手分けをして、招待状を手渡しします。各村の村長にその村の招待客の招待状をまとめて渡すこともあります。
結婚式は、新婦の家で行います。結婚式の当日は、ラオスの伝統衣装に身を包んだ新郎は親族や友人たちと行列を作って新婦の家まで歩いて行きます。
新婦の家に向かう新郎とその親族や友人たち
新郎が新婦の家に到着すると、新婦の家族や友人がひもを張って新郎が家の中に入るのを阻止します。新郎はなかなか家に入ることができないので、ビールや封筒に入れたお金で買収して何とか家に入ろうとします。あとでもらった封筒の中身を見てみると、何も入っていないこともありますが(笑)。
ビールをふるまって家の中に入ろうとする新郎
ようやく家の中に入ることができた新郎と親族は、新婦の母親に案内されて、きれいに花で飾り付けをされた結婚式をする部屋に入ります。部屋の中には新郎新婦の家族や親せきが新郎を待っています。
新婦や親族も伝統衣装を身にまとっています。新婦のシン(手織りの巻きスカート)は、以前は新婦が自分自身で織っていましたが、最近では店でオーダーメイドする人も増えてきました。私の友人の場合は、シンを織って販売している友人のお姉さんが新婦のためにシンを織りました。
結婚式の儀式を行う新郎新婦と新婦の親族
部屋には健康と幸福を祈るための「バーシーの儀式」を行うために、バナナの葉とオレンジ色のマリーゴールドの花で作られた「パークワン」が設置され、果物やもち米などのお供え物が用意されます。「バーシーの儀式」は、人間の中にある32個の魂をつなぎぎ留めておくためのもので、参加者はパークワンに結ばれた白い糸を新郎新婦の手首に結びます。「バーシーの儀式」は、ラオスでは結婚式のみならず、新年、出産、歓送迎会など重要なイベントで行われます。
その後、新郎と新婦は、まずは新婦の祖父母からソンマー(ろうそく、花、お金をバナナの葉で包んだもの)をもらいます。ソンマーは「すみません」という意味ですが、誤るのではなく、これから一緒に生きていくための許可をもらうためのものです。その後、新郎の祖父母、新婦の両親、新郎の両親の順番でソンマーをもらいます。
新婦の祖母からソンマーを受け取る新郎新婦
新郎は結婚するために、新婦の親族にゴールドやお金を渡します。
左がゴールドで、右がお札。
結婚式が終わったら、家の外に設置したテントでお客様に食事や飲み物をふるまい、宴会が始まります。料理はもちろんのこと、ビール大好きなラオス人のお祝いの席にビアラオ(ラオス産ビール)は欠かせません!ラオスでは、お祝いの席でお客様の料理や飲み物がなくなると、お客様を招待したホストは恥ずかしい思いをするので、お客様の数よりも多くの料理や飲み物を準備します。また、バンドも入って、歌や音楽を披露します。
宴会が盛り上がってくると、まずは新郎新婦が踊り始めます。その後、新郎新婦の親族が合流して踊り、最後に友人なども一緒に踊ります。ラオスでは、このように参加者全員が踊って宴会を盛り上げます。
まずは新郎新婦がラオスの伝統的な踊りを踊り、その後、親族、
友人も一緒に踊ります。
友人の実家は農家で、家の前に大きな広場があるので、何百人もの招待客をおもてなしできますが、それにしても、何百人もの食事と飲み物を準備するのはとても大変です。家の敷地が大きくない場合は、宴会場を借りて宴会を行うこともあります。
ラオスの結婚式は日本の結婚式と異なり、このように手作り感にあふれていますが、とにかく準備が大変でお金もかかります。ラオスの伝統を尊重したい気持ちもある反面、私自身はラオスで結婚式を行うことを考えると頭が痛いです。
皆さんも機会があれば、ラオスの結婚式に参加してみてください。儀式、料理などを通じて、ラオス文化を知る貴重な体験となるでしょう。