荒れ荒れ | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<ツアー9日目> 晴れ のち 雷

今日は第一陣が日本へ帰国する。

山沈や電波の届かないような所に降りたら、

帰国できなくなるので、距離を伸ばそうとはせずに、

安全にフライトする様に注意を促した。


風向きは南東に戻った。昨日と同様なコンディションで、

サンダーストームは、昨日より1時間早く14時に来る。



早目に山に上がり、テイクオフし始めた。

しかし、飛んでいるグライダーの動きがどうもおかしい?

前日までの様に余りあがらないのだ。


川地もタンデムで飛んだ。

確かに、サーマルは豊富なのだが、

小さくて曲がっていて、とても上げにくい。


その内、ランディング場や

あの 『 禁断の地 』 に降りてしまう人が出始めた。

Kさんではなく、NさんやIさんだ。


川地も無理せずランディングに降ろした。

降りる直前に、例の川の橋の所で車が川水に浸かって、

屋根の上で救助を待つ人が居るのが見えた。


空域が荒れていて揺れたお陰で、

パッセンジャーの気持ちが悪くなってしまったようだ。

早めに降ろしてよかった。


どうやって、あの二人を助けに行こうかと思案していると、

モーテルのオーナーがピックアップトラックで

助けに来てくれた。


一安心していると、今度はSさんが

レスキューパラを開傘して山沈したと連絡が入った。

Sさんは、今日帰国する人だ。  Σ(゚д゚;)


Nさんは、GPSを落としたらしく、

先に救助に向かってくれと言うので、現場へ向かった。


怪我は無いらしいが、Sさんはまだ山の中だ。

どうやらサーマルを求めて、数少ない山奥を攻めて、

潰されたようだ。


どうしてそんな無理を・・・?

今日は帰国する日だと注意したのに・・・。 (ーー;)


最低でも本人だけを救出して、

空港へ送り届けなければならない。


近くまで行くと、機体だけを放置して、

それ以外の装備を全て回収して自力で下山してきた。

時刻はまだ15時だったので、充分間に合う時間だ。

良かった良かった。  Fu= (´Д`*)



モーテルに戻ると全員シャワーを浴びて、

出発の準備が整っていた。

Nさんも自力で帰還したようだ。



明日、帰国する組はモーテルに残り、

17時にブリスベンへ出発した。


オーストラリア人のデニスにして、ビッグステーキ!

と言わしめる名物ステーキハウスで食事をして、

全員を無事に空港に送り届けることができた。


見えない翼-ビッグステーキ
カメラ 食べているのは、小さめのサイズです



それにしても、

この2日間で、寿命が随分縮まった気がする。