のんびり川地塾2-2 痛恨の一周 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<お仕事> くもり 時々 晴れ

昨日に引き続き、雲は多いが、

今日も沢山飛べるだろう。

朝霧の様子は、もう夏の空気、そして、空だ。

もう間もなく、梅雨が来るだろう。


塾生は、ミルミル進歩している。

昨日は、とても一緒に飛んでいられない飛びだったが、

今日はとても安定している。


決して風が安定したわけではない。むしろ、その逆だ。



昨日は、西富士に行くだけで、やっとだったのに、

今日は、鉄塔を越えて、天子に向かっている。

天子岳は、初めての人ばかりなので、心配だ。


残った塾生はあと僅か。

この人たちを連れて、皆で天子に行こう!

急いで準備をしてテイクオフした。


出て直ぐに強いリフト。いつもの様に旋回に入った。

最初の一周目、直ぐに異変に気付く。


人から借りた不慣れな初めての機体、更に、

バリオを持っていない塾生に貸し出したので、感覚のみ。

そして、強めの風。そして、急ごうという焦り。


様々な要素が、一気に重なった。

結果は、山沈。


幸いにも、機体も体も無傷だった。



様々な言い訳を書いても仕方が無い。

ただ、自分の中にフライトと機体に対する姿勢に、

“ 甘さ ” があったことを認めざるを得ない。


日頃から、安全フライトを指導している立場の人間として、

面目次第も無い、恥ずべき事である。


つい先日も、

『 人は人の甘えを見逃し、許してくれても、

 自然は人間の甘えを見逃してくれない。 』

と、ある塾生に教えたばかりである。


また、

アクシデントに会いそうなパイロットがなんとなく分ると、

塾生に忠告したばかりだったが、実は、

自分がアクシデントに合いそうな感じもしていた。


しかし、

それは、ネガティブな発想だと、払いのけ様としていたが、

深層心理からのメッセージを素直に、

冷静に受け止めるべきだった。



とにも、かくにも、怪我が無かった事は、

不幸中の幸いである。

起こしてしまったことは、仕方が無い。


これからどう取組むか?である。

同じ過ちを繰り返してはいけない。

だからと言って、立ち止まってはいけない。


人は、歩むから、そして失敗から進歩するのだから。