<療育施設>
先週末、ショウは川地の実家に里帰りしていた。
実家では様々な発見があったらしい。
それは、後日お伝えする事にしよう。
さて、今日は療育と訓練の日。1限目は、言語訓練。
いつものように川地は、ミラーガラス越しに様子を見る。
相変わらず、ふざけたり、
先生の言う事を聞かず、困らせている。
トイレに行って帰ってくると、いつもと様子が違っていた。
ショウの目の前のテーブルの上には、玩具ではなくて、
コップ,帽子,歯ブラシ,靴,タオルなど
日用品が並んでいたからだ?
(それらは家から持参したものではない。)
そして、次の瞬間、驚くべき事が起こった。
先生が 「 『 コップ 』 を取ってください 」 と言うと、
家にあるものとは、色も形も違うコップを取って手渡したのだ。
更に、 「 『 靴 』 を取ってください 」 と先生が言った。
ショウにとって、靴とは補装具を意味する。
色は勿論、形など似ても似つかない物だ。
ショウは一瞬困ったなといった表情を見せた。
とっさに先生が機転を利かせ、自分の足を指差し、
靴を履く動作をジェスチャーして見せて、
もう一度 「 『 靴 』 を取ってください 」 と言った。
その瞬間、 「 あっ、それの事か! 」 という表情をして、
靴を取って手渡した。
( ・д・)/ ∑( ̄0 ̄;ノ
ジェスチャーから履く物を連想しただけでなく、
それに該当するものを考え、一番近い物を選択したのだ。
いや、もしかしたら、を知っていて、
「 靴(くつ) 」 という言葉が聞き取れなかったのか?
結びつかなかったのか?
とにかく、相当の知的レベルに達していないと、
できない行動を連発して見せたのだ。
驚きを通り越して、涙が出てきた。
物は試しにと思って実施した先生自身も、驚いていた。
ショウは言葉こそ話せないが、
実は知能は想像以上に進んでいるのかも?
もしかしたら、パパはショウを見くびっていたのかもしれない。
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