翔の進歩66 取ってください | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<療育施設> 晴れ

先週末、ショウは川地の実家に里帰りしていた。

実家では様々な発見があったらしい。

それは、後日お伝えする事にしよう。


さて、今日は療育と訓練の日。1限目は、言語訓練。

いつものように川地は、ミラーガラス越しに様子を見る。

相変わらず、ふざけたり、

先生の言う事を聞かず、困らせている。


トイレに行って帰ってくると、いつもと様子が違っていた。

ショウの目の前のテーブルの上には、玩具ではなくて、

コップ,帽子,歯ブラシ,靴,タオルなど

日用品が並んでいたからだ?

(それらは家から持参したものではない。)


そして、次の瞬間、驚くべき事が起こった。

先生が 「 『 コップ 』 を取ってください 」 と言うと、

家にあるものとは、色も形も違うコップを取って手渡したのだ。



更に、 「 『 靴 』 を取ってください 」 と先生が言った。

ショウにとって、靴とは補装具を意味する。

色は勿論、形など似ても似つかない物だ。


ショウは一瞬困ったなといった表情を見せた。

とっさに先生が機転を利かせ、自分の足を指差し、

靴を履く動作をジェスチャーして見せて、

もう一度 「 『 靴 』 を取ってください 」 と言った。



その瞬間、 「 あっ、それの事か! 」 という表情をして、

靴を取って手渡した。

 ( ・д・)/ くつ    ∑( ̄0 ̄;ノ


ジェスチャーから履く物を連想しただけでなく、

それに該当するものを考え、一番近い物を選択したのだ。


いや、もしかしたら、くつを知っていて、

「 靴(くつ) 」 という言葉が聞き取れなかったのか?

結びつかなかったのか?



とにかく、相当の知的レベルに達していないと、

できない行動を連発して見せたのだ。

驚きを通り越して、涙が出てきた。


物は試しにと思って実施した先生自身も、驚いていた。

ショウは言葉こそ話せないが、

実は知能は想像以上に進んでいるのかも?

もしかしたら、パパはショウを見くびっていたのかもしれない。




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