四つ這いと捕まり立ち | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<保育園->大学病院> 晴れ

昨晩寝たのが遅かったせいで、今日の朝はお寝坊のショウだった。

いつもの様にストレッチ&リハビリをした後に、朝食を取り、

その後、パパが保育園の準備をする僅かな間、

ショウはプレイルームの玩具で遊んでいる。


「さあ、準備できたから保育園へ行くよ!」

そう言うとショウはパパの方を向く。

(それまで、パパが「あれが入って無い!!」,「これがまだだ」と

 騒いでいても、全く見ることが無かったのに・・・。)


ショウの言語の理解能力は、

気付かぬうちに、驚くほどハイレベルになっているのだ。

(小さい頃はショウと読んでも反応すらなかったのに・・・。)



まだショウは、玩具で遊びたそうな顔をしている。 (。・ε・。)

「じゃぁ、あと一回だけね!」

「そうだ、這いずりの格好じゃなく、座った格好でやってごらん!」


そう言って、川地はショウの足を曲げ、正座の様な格好に座らせた。

普段ならそのままの格好で座って、

パパが玩具を近付けてくれるのを待つのだが、今日は違っていた。


ショウは自分から上半身を前に前傾し、

床に片手を着き、もう片方の手は玩具のボウルへ伸ばしたのだ。

その格好は、正に “ 四つ這い ” だった。 オオッ━(゚∀゚)━ !!!


訓練のために無理やりさせた事はあったが、

自分から “ 四つ這い ” をしたのは初めてだった。

それは、奇跡(歩行)への小さな一歩だった。


腰が不安定でフラフラして、

支えてやらないと引っくり返ってしまいそうだが、

両足と片手で、懸命にバランスを取っている。

そして、ボールをコロコロの木に入れようとしている。


「 頑張れ!もう少しだ!! 」 思わず声が出る。

そして、ガッシャン!!

小さな穴からボールが入った音がした。

「 やったぞ!ショウ!! 上手だ!! 」

(*゜▽゜ノノ゛○  ヘ(゚∀゚*)ノ


訓練で無理やりやらされているのではなく、

自分から入れたくて、できたという、

達成感に満ちた嬉しそうな顔をした。


その後も、倒れることもなく、飽きることもなく、

5個連続して、約5分間を費やしてボールを入れ続けた。

流石に疲れたのか、その後パパに寄り掛かった。



その後、ショウはいつもの様に玄関まで這って行き、

そして、保育園へ登園した。

ショウが来るのが遅いので、保育園では先生が心配していた。



今日は、午後から大学病院へ処方箋を頂きに行く。

仕事ができるのは限られた時間しかなかったのだが、

何よりも “ 四つ這い ” が成功したことがとても、嬉しかった。

しかし、奇跡はそれだけではなかった。


病院での診察を終え、処方箋を頂いた後、

会計カウンターへ行った時のこと。

カウンターの上に書類の入ったクリアーファイルを置いて、

精算をして頂いていると、パパの右腕のカウンターの所に、

小さな手が二つ並んだと思ったら、小さな顔が姿を現した!!

それは、座っているはずのショウの顔だった。! Σ(゚д゚;)


驚いて、ショウの頭の下を見ると、

バギー(幼児用車椅子)のステップの上に立っているではないか!!

大好きなクリアーファイルを取りたい一身でカウンターに掴まり、

懸垂をする要領で、上半身を持ち上げたのだ。


正確には、下半身で立ったとは言いがたいが、

その姿は、何処から見ても立っているようにしか見えなかった。

明らかに危険な姿勢なのだが、驚きの余り声も出なかった。

( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚  ヾ(@^(∞)^@)ノ


川地はツーテンポも遅れて、ショウの体に手を伸ばした。



まさか、一日に二度も驚かされるとは思わなかったが、

それは、とても嬉しいビックリだった。

そして、ショウの将来が随分明るく感じられた一日だった。



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