<オーストラリア 7日目>
今日も西風だ。
オーストラリアでは、毎日風向きが変わる事は滅多に無い。
一度、東風が吹き始めたら、1週間続くのが普通である。
こんなにコロコロ風向きが変わるのも、
異常気象の影響なのだろうか?
そして、どうみても風が強い。
まるで、2日前の様だ。
お客様の表情にも、諦めの心境がにじみ出ている。
それでも僅かな可能性を求めて、テイクオフ(離陸)場にあがった。
到着するまでは、それ程でもなかった風が、
まるで、出迎えるかのように急激に強くなった。
そこからの皆の気持ちの切り替えが早かった。
動物園へ行こうということになった。
野生のコアラ、ワイルドコアラは発見出来なかったが、
せめて動物園で見ようということになった。
川地は知らなかったが、コアラは絶滅危惧種らしい。
どうりで、そこら辺に居ないわけだ。 (^_^;)ゞ
車で走る事1時間。動物園へ到着した。
日本の仰々しい檻が建ち並ぶZOO(動物園)とは違い、
背の低いフェンスに囲まれた敷地が、
平原にポツンと孤立して存在していた。
はっきり言って少し広めの敷地を持つ農家の家と見分けにくい。
来場者も数十人といったような状況をみると、
否応無しに、経営を心配してしまう。
ただ、その風貌とは裏腹に、園内には
オーストラリアにしか生存しない動物がたくさん飼育されていた。
しかし、肝心のコアラは最後まで我々の目の前に
その姿を現さなかった。
どうやら、この動物園では飼育の許可が降りないらしい。
決められた面積のゆうかりの森林を有している事が
条件なのだそうだ。
コアラを抱っこできると思っていた方々は、
代わりに大蛇を首に巻いていた。
川地も初めて手に持ってみたが、ヒンヤリする。
そして、ドライだ!!
もっとベト付くものかと思っていた。
動物園を後にして、再びエリアに戻った。
風は落ちつつあった。
直ぐに、準備をしてフライトを開始した。
今日は日没まで時間があったので、
1時間程遊ぶ事が出来た。
これがオーストラリアでの最後のフライトになった。
XCが出来なかった事は残念だったが、
飛ぶ事すら出来ずに帰国したツアーも有ったと聞くと、
怪我人も無く、飛べただけでも、良かったのかもしれない。
夕食は、バーベキューをした。
ビーフは勿論、カンガルーの肉も出てきた。
結構、パサパサしていて、牛と鳥を足して二で割ったような感じだ。
夜は非常に冷え込んで、ジャンパー無しでは居られない程だった。
そこで、モーテルの主人が暖房器具に火を入れてくれた。
傘のような物がそれである。
筒の先がガスで暖められ、傘で遠赤外線が反射されて、
周辺が暖められる仕組みらしい。
世界中を旅行して来た川地も、初めて見る暖房器具だった。