<保育園>
翔の移動はいつも這いずりである。
したがって、腕の力、特に引き付ける力は
同年代の子に比べると強い方だ。
ジャラジャラ で遊ぼうと近付いた時に、
間違えて手前で仰向けになっても、ジャラジャラの輪に摑まって、
まるで体操の選手が吊り輪の演技をするかのように懸垂をして
体を玩具の下へ引き入れる。
勿論、翔は寝そべってだが、床と体の摩擦から考えると、
相当の抵抗があるので、たやすくはない事は容易に想像がつく。
ファミリーレストランに行った時に、
バギー(子供用車椅子)に座ったまま、
近くにあった椅子を移動させたり、倒したりもする。
そう言えば、もう一つ翔のずば抜けた能力がある。
この間ワイフがファミレスへ翔を連れて行った時の事、
いつもの様に店員に対して、
翔は第一級の警戒態勢を敷いていたらしい。
ある店員が隣のテーブルを片付けに来た時に、
翔のほっぺに付いたご飯粒を見つけ、
「あらっ?」と言って、取ってくれたそうだ。
するとどうだろう、翔はその店員に心を許し、
それからはその店員に限って
近くを通っても気にもせず、パクパク食べていたそうだ。
勿論、他の店員に対しては警戒態勢は解かなかったらしい。
わずかな間でその人の特徴を把握する能力は、普通の子のようだ。
更に、近くに来た店員を見もしないで、どうしてその人だと分かるのか?
摩訶不思議だ? (-_\)(/_-)三( ゚Д゚)