将来、翔は歩けるのか? | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<療育センター> 晴れ

今日は療育施設ではなく、センターに行くことになっている。

小さくなった補装具と歩行器の改造、

そして、整形外科医による骨盤の診察がある。


本調子ではない翔は到着する前に寝てしまったが、

これがかえって翔の調子と機嫌をよくした。


診察結果は、 「 今すぐ手術の必要性は無い 」 だった。

大学病院と同じ回答である。



しかし、今回は更に突っ込んだ話をした。


脱臼の恐れがあるから手術をするのではなく、

歩けるようになるための手術は無いのか?

仮に有ったとしたら、翔がそれを受ければ歩けるようになるのか?


・・・


結論から言えば、手術方法はあるが、

翔が歩けるようになる確立は非常に低いというものだった。


“ 歩けない ” という障害には、大きく分けて2つのパターンがある。


一つは、

脳神経的には歩ける能力を持っているが、筋肉に問題がある場合。


もう一つは、

潜在的な歩く能力が低く、筋肉にも問題がある場合。



前者は手術をすることによって歩けるが、

後者は歩けないパターンである。

歩く能力とは、足を動かす能力だけを意味しているのではない。


丁度、パラが上手くなるのに目標が必要なように、

歩きたいという欲求も必要なのだ。

それが無ければ、歩くための様々なトレーニングを続け、

それを、乗り越えることなど到底不可能だからだ。


そう、翔にはそういった知的レベルの能力が劣っているのである。

何か強力な歩きたいという欲求が芽生えれば別だが・・・。



そして、もう一つ、歩けない理由として、

将来、翔の筋力の発達が体重の増加に追いつかなくなる。

つまり、 「 支えられなくなるだろう! 」 とコメントされた。


補装具と歩行器は一ヵ月後ぐらいに出来上がる事になった。



なんとなく分かってはいたが、はっきり宣告されると、

やはり気分はブルーになった。

そんな事は露知らず、翔は気持ち良さそうに助手席で寝ていた。


(@ ̄ρ ̄@)zzzz  (´д`lll)