<お仕事>
ところにより
天気はとても良いが、今日も風が強い。
パラグライダーが飛べるとすれば、夕方頃に神の倉山からだ。
それまでにはたっぷり時間があるので、
午前中に講義をしようかと思ったら、ゲームが始まった。
『ミニパラのペアーによるグランドハンドリング』だった。
それを邪魔してはいけなので、
川地は自分の機体のチューニングに精を出すことにした。
先のワールドカップで得た知識を
早速、自分のグライダーに反映させるためである。
Targa3は、まだ日本国内に出回っていないので、
パイロット達の興味を集め、直ぐに人だかりが出来た。
特に、今回から採用された二段トリムは注目の的だった。
そこで、今回の課題として、
『ライザーシステムとアクセル』 について、急遽話すことになった。
お昼にテイクオフ(離陸)場にあがったが、
強風でハンググライダーも飛ぶのを見合わせている状況なので、
講義をする時間は充分にあった。
塾生それぞれのグライダーのライザーを取り出して、解説を加え、
自分のグライダーがどのような特性を持ち、
どのようなタイプに属するのか?
そして、アクセルを取り付けて調整するに際して、
どのような事に気を付けるのかを話した。
結局、今日の競技はキャンセルされ、
日没間際に30分程ソアリングタイムが訪れ、
パイロットは、つかの間のフライトでストレスを発散していた。
勿論、川地は手を加えた所のチェックをしたが、
まだまだ調整が甘いようである。