<お仕事>
今日は朝から快晴で最高のコンディションだ。
風の予報は南西から西、上空は北西の予報だ。
コンディションが整えば、予てより希望のあった、
ニセコからルスツへのクロカンをすることにしていた。
今日こそタンデム川地塾も成功させなければならない。
総集編の最終日、理論説明は無しだ。
直ぐにテイクオフ(離陸)場にあがるように指示を出した。
タンデム川地塾のお客様の到着が遅れていたので、
Targa3の調整&テストフライトを行った。
テイクオフして直ぐにスピードが異様に速いことに気が付いた。
Targa3にはトリムが2つ付いていて、
一つは絞ってあったが、もう一つは開放していたのだ。
確かトルステン(UPデザイナー兼パイロット)が、
ジャパニーズ・コンディション(渋い時)なら両方引くように
スロベニアで言っていた事を思い出した。
慌てて引き込むと聞きなれた風切音になり、
通常のスピードに戻ったことが分かった。
それでも何か速いような気がするのは、気のせいだろうか?
アクセルは長さが全然合っていない事が分かった。
ライザーが今までの物と随分違うことや
ハーネスを改造したことによるものだろう。
飛んでいようと思えばいくらでも飛んでいられるが、
お客様がもう到着しているので
タンデム川地塾をするために下ろした。
お客様と一緒に直ぐにゴンドラで上がった。
コンディションが以外に良くないと言って、
数名の塾生が飛ばずにいた。
確かにバンバンではないがステイは可能だ。
速く飛ぶように発破を掛けた。
川地も直ぐに準備をしてタンデムで飛んだ。
雲底に着いた塾生から早くもクロカンを要望する無線が入る。
残念だが無線から精神的な余裕が無いのが聞き取れる。
今日は記録を出すためのフライトでは無い。
まだテイクオフしていない他の塾生もいる。
クロカンに出ても安全にフライトできることが最優先である。
様々な状況から空中待機の指示を出した。
そうこうしている内に山側が渋くなって、数名が降りてしまった。
川地は一足先に沖に逃げていたので問題は無かった。
山にしがみ付いていても活路は見出せない。
自然のリズムを感じ取れるようにならなければ、
クロカンで距離を伸ばすことも叶わない。
この後、生き残った3名を引き連れてクロカンに出た。
川地はタンデムだったので、お客様の事を考えて
無理しない無難なコースを選び、途中で降りてしまったが、
3名は距離を伸ばしてルスツまであと3kmの所まで飛んだ。
クロカンに出れなかった塾生も夕方まで飛んでいた。
今日は最終回にふさわしく、思いっきり飛ぶことが出来た。
来年の課題には、いよいよクロスカントリーが盛り込まれる。
それまでに全員が精神的に余裕を持てるようになって欲しい。
そうすれば全員で揃ってクロカンに出れるだろう。 (*^^)v