帰国の途に | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<プレ世界選手権 八日目 帰路>

お世話になった、BOB&シェリー夫妻にささやかなプレゼントを渡し、

お別れを言ってバスに乗った。

「今日も、良い天気だ。来年も来るんだろ?」 別れ際にBOBが言った。

「できれば、たぶん・・・」 そう答えるしかなかった。


今の抱えている川地の課題は余りにも多く、難題だからだ。

飛びだけでなく、選抜ポイントの事、身辺の環境、塾の事、・・・。

来年に向けてベストを尽くすしかないだろう。


今回のプレ世界選手権、優勝を狙わないわけではないが、

久しぶりに競技に出場て、ポンと勝てる程

世の中甘くは無いことは、重々承知していた。


それでも、最前線に赴き、もっともホッとな空気に触れる事が

重要と判断したので、無理をしてでも参加したのだ。


今シーズンは残り10ヶ月を切った。

川地の参加できる大会は限られている。

やれるだけの事はやってみるさ。