博多駅前を8:55発の国際ターミナル行きのバスに乗る。
9:10にターミナルに着く。10:15発だから時間は充分ある。
と思ってカウンターに行くと、深田恭子さん似の窓口の人が、
「まだ9:30の便にも乗れますが、変更しましょうか?」と言ってくれる。
それでは、と変更してもらうことにする。
私に笑顔でチケットを渡したあと、「もう一人乗られます!。待ってください。」と意外に厳しい顔で無線機に向かって言った。
確か45分前にチェックイン締め切りと聞いていたのだが、かなり柔軟性があるようだ。
国際線で15分前にチェックインなど飛行機では考えられないことだ。
急いで出発ロビーへ行く。
税関、出国審査も私が通ったあとすぐ後ろで係員は柵を閉め、事務所に戻ってしまった。
本当に私が最後の1人らしい。出国後のロビーには免税店もあったが、何も見ずに乗船。
飛行機以外で日本を出国したのは生まれて初めてだ。
「ビートル」も私が乗り込むとドアクローズ。指定の席は出入り口のすぐ後ろ。
飛行機ならVIP席である。足元もとても広く、3席を独り占め。得した気分だ。
しかし、よく国内線の飛行機や新幹線では「飛び乗り」(航空業界用語では「ジャンプイン」)をするが、国際航路の船まで同じ状況になるとは・・・。
せせこましく、落ち着かない運命なのかも知れない。慌しさを楽しんでいる自分がいる。
博多港9:30発のJR九州高速船所属の「ビートル」で釜山港を目指す。
この航路は韓国籍の「KOBEE」と相互乗り入れである。
ビートルは時速80km/h以上で海上を飛ばす高速船(ジェットフォイル)である。
博多港~釜山港までは213kmあり、通常ダイヤでは2時間55分で航行する。平均時速73km/nである。
ときどき流木や鯨にぶつかってけが人が出ており、ちょっと怖いと思っていた。
しかし、出航してすぐ「海中生物との衝突の危険があるため、減速して運航します」とアナウンスがあった。
船内に掲示された運航ダイヤには、釜山着12:40と掲示されていた。
3時間10分の所要時間、平均速度は67.3km/hとなる。
座席前ポケットには安全のしおりとエチケット袋が用意され、頭上にはシートベルト着用灯がある。
まるで飛行機のようである(実際に海面から離水し「飛んで」いるのだが)。
船内は明るく、船特有の油のにおいもない。とても快適である。
その代わり、あまり面白みがない。単なる移動手段になっている。
日本海を横断した「ビートル」は、無事釜山港に着いた。
早く着いたので。両替したりして少し時間をつぶしたあと、知人のKさんの携帯に電話すると、彼はもうターミナルに来てくれていた。
再開に握手。