ある薬剤師からこんな話を聞いた。
在宅専門診療所が開業し、その医師が発行する処方箋も回ってくるのだという。
ある日、在宅の高齢者が熱を出したらしく、抗菌剤が処方された。
その医師は少しでもローコストでと、薬価が安い薬を好んで出すという。そのときの抗菌剤の処方も合成抗菌剤としては非常にロングセラーのものであり、最近はほとんど処方されなくなったものだった。
薬局には在庫がなく、金曜の夕方だったため、処方医に疑義照会し在庫のある抗菌剤への処方変更を打診した。
しかし、医師は患者負担が増えることを理由に、変更を拒否したという。
結果、熱を出しているであろう患者に、薬がわたったのは翌日の夕方だったという。
卸も休みだったので、薬局の薬剤師が他の薬局の在庫を捜し回ってようやく確保したのだという。
この場合、処方医は何を優先して考えるべきだっとのか、疑問が残る。
仮に服薬が1日遅れても、安価な薬剤の処方が優先事項だったのだろうか。
後日談だが、その患者は公費負担医療の患者で、自己負担はなかったという。
患者負担を把握してもいなかったことになる。
このあたりの把握および調整は主治医なのか、訪問看護師なのか、ケアマネジャーなのか?
非常に考えさせられた一件だった。