「歌は世につれ、世は歌につれ」という。
この言葉が頭に浮かんだのは、今回の診療報酬改定における後発品促進策を見ていたときだった。
代替調剤は、調剤薬局にも負担をもたらす。後発品の在庫負担だ。
後発品の情報提供料と在庫のデッドストックをはかりにかければ、デッドストックの方が重いであろう。
調剤薬局側に聞くと、後発品は大包装のものが多い、規格が揃わない、適応症が必ずしも同一でない、という。
そのため一概に切り替えといってもいろいろと難点があるようだ。
調剤薬局が積極的に後発品切り替えを進めるメリットはなさそうだ。
代替調剤で後発品に切り替わった場合、処方した医療機関にその旨をフィードバックしなければならない。薬剤師会が3月末に発表した調剤報酬のQ&Aでも、「適切な方法」としか触れておらず、1日に何千枚も処方せんを発行する大病院などで代替調剤をしたら、処方変更の情報だけで大混乱をきたすかもしれない。しかも今は個人情報に配慮した情報のやりとりが必要であるし、作業量は少なくないだろう。
処方医側にも、どの銘柄の後発品が出されたか、その時点では把握できない。
やはり処方医にとっては心配な面もあるだろう。
そうなると代替調剤は、患者のコスト減というところが唯一のメリットということになる(もちろん医療費削減にもなるが)。
一般市民の後発品への認知度向上が、後発品処方普及の鍵を握ることになる。
Direct To Consumerといわれる、いわゆる医薬品のDTC広告が解禁になってくれば、後発品の情報も浸透していくことになろう。団塊世代の退職後は、つつましい生活を送るという調査記事が新聞にも出ていた。その世代当たりから後発品シフトへの機運が高まるのかも知れない。
いずれにしても消費者、言い換えれば「世」の動きが後発品普及のキーファクターである。
まさに「世につれ」である。