2回ほど一緒に飲みに行ったことのある旦那の同僚Smithの話をしたいと思う。
彼の彼女さんともあった事があり、ゲームオタクだが(というか旦那の職場は基本皆そう)20代前半の若い真面目そうな好青年だ。
ミリタリーは退職時に普通の会社とは違いかなりのペーパーワークが必要だ。
なので、除隊前の1ヶ月は病院や何やらの予約がたくさんある。
うちの旦那もその手続きで何度となく早退して帰って来た事がある。
一般の仕事で例えるなら契約社員のような形で、もし契約を勝手に放棄したものなら刑務所行きである。その為、この仕事が好きじゃないから辞めるなんて簡単には出来ない。
ただ、時には除隊を申請することもできる。政府がコスト削減をする場合は除隊の希望者を集う場合もある。(数年前にかなりの人数を削減した時があったが、きちんと退職金も出ていて理不尽なリストラという訳ではなかった)
それ以外は基本除隊を希望しても拒否される場合もあるし、出来たとしても半年近く手続きがかかるのがほとんどだ。
一緒に飲んだ時、Smithは辞めたいしたいと話していた。私の旦那の除隊後のプランにかなり興味がある様子だった。
そんな彼は2ヶ月ほど前に除隊希望を出し、気分はもう辞める気満々であった。仕事を探して、故郷の他の州へ帰る予定を立てていた。
ある日彼が除隊の為の病院の予約があるという理由で、早退しようとした事があった。
が、実は除隊の希望を出しただけで、承認された訳ではないのだ。その状態では何の手続きも出来ない。要は、彼は仕事をすっぽかしたかっただけだ。
不審に思った彼の上司は彼をオフィスへ呼び出した。その日彼が早退する事はなかった。
さて、ちょうど1週間ほど前に旦那が職場の送別会へ行ってきた。
有給消化の為にもう1ヶ月ほど職場に顔を出していなかったが、今回で本当に最後になる。家に帰って来て、そういえばと話出した。
Smithだけどもうミリタリー辞めてたんだよ。
除隊の希望を出して2ヶ月で辞めれるなんて異例。うちの旦那もいなくて驚いたようだった。ただ、その辞めれた理由というのが自殺発言をしたからだ。
病院のカウンセラーに辞めれなければ自殺してしまうかもしれない、と訴えていたらしく即除隊になった。
彼はとても明るい青年でとても自殺をするようには見えない。ただ、人は見た目ではわからないもので、心の中ではそれほど追い詰められていたのかもしれない。
だが今回の彼に対する評価は良くはなく、彼はただ辞めたくてそう言っていたんだろうと周りは言う。
軍を一定期間勤めていれば大学が全額免除されたり、在学中に政府から毎月の支援をもらえたりと自分に利益がある事なのだが、それは最終評価が5でなければいけない。
普通に勤めていれば、ほとんどが評価5をもらえる。(もし評価2なんて場合はその後一般の会社から雇ってもらえる事はほぼ難しいらしい)
Smithの最終評価は4。この評価4では上記にある利益がもらえない。
希望通り除隊は出来たが彼が話していた大学へ進学して、ゲームの制作会社に勤めたいと言うプランは難しくなった様子である。
もう少し我慢すれば大学に無料でいけたのに、勿体無い事をしてと赤の他人の私がどうのこうの言っても彼に響くわけはない。というか、もう手遅れなのだが、それは彼の人生なのである。