俺(ん、うぅ…)
どうやら目が覚めたらしい…。
俺(此処は一体何処だ…?)
取り敢えず身体を起こそうとしたら、顔を壁にぶつけた。
俺(痛っ…)
目と鼻の先に壁がある…。
ならばと思い、横に手を動かしたがまたも壁にぶつかった。
どうやら壁全体が俺を囲んでいる様だ。
俺(閉じ込められてるのか?)
そして俺はある事に気付いた。
周りの壁の感触がザラザラする事を。
俺(ん?この感触…もしかしてダンボール?)
試しに自分の爪で壁を思いっ切り突いてみた。
すると壁に深く突き刺さり、抜くとその場所に凹んだ跡が残る…。
俺(やはりダンボールだ…にしても俺の爪こんなに長かったか?いや、そんな事より一体誰がこの中に…)
そしてある事を思い出した。
俺(そうか、俺はセイレーンと戦闘中にピュリファイアーの攻撃を受けて…)
だが、その後が思い出せない…。
恐らくその攻撃で気絶して、今のこの状況に繋がるのだろう。
俺(つまり俺は今はセイレーンの捕虜…それより他の皆は大丈夫なのか!?)
皆の無事を確認する為にも、此処に居る訳には行かない!
俺は目の前の壁を力一杯押した。
出せる力を振り絞って。
だが…
俺(テープで強力に固定されていて開かない…。駄目か…。)
力を使い切り、動けなくなる俺…。
よくよく考えてみれば、油断してセイレーンの作戦を見抜けなかった俺のミスだ…。
俺のミスで…KAN-SEN達を追い詰めてしまった…。
俺(俺が不甲斐ない指揮をしたばかりに…。)
絶望しかけ、無気力になり意識が遠のいていく…。いっそ、このまま消えてしまえば…。
と、その時だった。
俺(ん?外から声がする!セイレーンか!?)
俺(ち、違うセイレーンじゃない…この声は赤城だ!!)
普段と比較して声に力を感じられないが、間違いなく赤城の声だ。
???「大丈夫かにゃ赤城?指揮官が倒れてからずっと元気が無いにゃ…。」
俺(この声と口癖は明石だ…。と言うか俺が倒れたって…)
赤城「大丈夫よ、有り難う明石。また宜しく頼むわ。」
明石「此方も宜しくだにゃ!」
どうやら外に居るのはセイレーンでは無い事は分かった…。だが疑問は残る。
何故俺をダンボールの中に…。
そうこう考えてる内にまた一人、声の持ち主が現れた。
俺(加賀だ…)
赤城「さっき医務室に行ったけど、まだよ…。」
俺(医務室だと!?ここは医務室…ではない筈…)
加賀「そうか…」
赤城「私の指揮官様を…」
俺(赤城…?)
赤城「絶対に許さないわ…セイレーンは皆殺しだ!!!」
俺(!?)
これ程の強い怒りと悲しみを融合させた赤城の声は初めてだ…。
加賀「…その通りだな姉様、仇討ちの為に明石から貰ったこのオフニャの箱を開けて、早く戦いに備えるとしよう。」
赤城「そうね…アイツらをバラバラにするのが楽しみですわ…」
赤城の声から強い憎悪を感じる。
それと同時に1つ1つ、ダンボールを開ける音がする。
やっと出れる!
早く出てジャベリン達の無事を確認せねば!
赤城「次はこれね…」
赤城の声が目の前に来た。
ようやくここから出られる。
俺(赤城、早く開けてくれ!)
べりっと言う音が鳴ったと当時に、目の前に縦に真っ直ぐの線の光が現れる。
そしてその光は徐々に太くなっていき…。
俺(やっと出れた!!)
とその瞬間、目の前の赤城に強く抱き締められた。
俺(!?)
赤城「指揮官様…この私がちゃんとお側に居られなかったばかりに…」
赤城に抱き締められる事は慣れている。
だが、いつも以上に力が強い!いや、強過ぎる!!
後ろからは腕が、前からは胸が強く食い込んでくる。
俺(く、苦しい…)
辛うじて息は出来るが、ダンボールの中に居た時よりキツい…。
加賀「落ち着け姉様!何をやっている?」
赤城「はっ、私は一体何を…」
段々と腕の力が弱くなっていき、やっと解放された。
しかし、それと同時に上から雨漏れの様に水滴が俺の身体に落ちて来た。
俺(ん?)
顔を上げると、赤城が涙を流している。
俺(赤城??)
加賀「姉様が指揮官以外に抱き付くなんて珍しいな。」
俺(指揮官以外??何を言ってるんだ?)
赤城「何故か分からないけど、このオフニャを観た瞬間に、指揮官様の面影を強く感じたのよ…。」
俺(オフニャだと!?)
加賀「何かこのオフニャに指揮官との共通点でも?」
俺(加賀も何を言っている…ってあれ?言葉が発せない…)
そして同時に俺はもう一つある事に気付いた!
身体の感覚がいつもと違う。
俺(ま、まさか!?)
俺は直ぐに周りを見渡し、鏡に向かった!
そして俺はその鏡を観て驚愕した!
俺(何だと!?)
その鏡が写し出したのは俺ではなく…グレーのオフニャだった…。




