GWの旅行、続き。

 

今回の旅行は、この小学校からスタートでした。

 

旧遷喬尋常小学校。

国の重文です。

 

 

 

シンメトリーの外観。

左右に切妻破風。中央にはドーマー窓。

 

 

 

 

明治40年竣工。木造2階建て。

設計、江川三郎八。

平成2年まで現役の校舎でした。

 

この江川さん、わたくし、存じ上げませんでしたが、

すごい人でした。

福島県会津若松の出身。

大工棟梁の弟子となり、厳しい修行の末、

(現地の解説には、「刻苦勉励」と書かれていました。

そんな言葉知らなかったよ)

技能を習得し、福島県庁から岡山県庁、多くの公共建築、商業建築を設計しました。

その建築は「江川式建築」と呼ばれ、旧遷喬尋常小学校を含め3件が

重要文化財の指定を受けています。

 

作品の模型が展示されていました。

どれも素晴らしい。

 

旧旭東尋常小学校付属幼稚舎。重文。

 

 

旧倉敷幼稚園舎。登録有形文化財。

 

 

こちらが、旧遷喬尋常小学校。

 

江川式建築はいくつか特徴があります。

似ているところ、ありますね。

 

 

マンサード屋根になっているそう。

そう言われれば、そうか。

外壁も特徴的。

縦羽目板張りの上に下見板張り。

ハーフティンバーの意匠。

 

 

通気口には凝った鋳物製の格子がついていたそうですが、

金属供出でなくなっています悲しい

煉瓦の積み方もいいですね。

小さいけれど、アーチ型。

楔形に要石。細かいところも美しく。

 

 

玄関。

ハーフティンバーの装飾。

飾り彫りがついたアーチ型の方杖。

 

 

天井は洋風格天井。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラスも当時のものが残っています。

 

 

補修されている床。

床材は松。

 

 

螺旋階段。

 

 

親柱は幾何学文様。

やっぱり蹴上は低く、段鼻は丸く、踏み面は広く。

児童に優しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扉も凝っていますね。

 

 

講堂。

 

 

洋風の二重折り上げ格天井。

立派ですね。

鏡板はヒノキの柾目板。

玄関の天井と同じように、鏡板の張り方を縦と横と交互にしていますね。

 

建材も高級です。

 

 

校長室。

 

 

 

 

 

大変美しい学校でした。

同時代の辰野金吾は「近代建築の父」と称されていますが、

江川三郎八はたたき上げで木造西洋風建築を極めた、

「擬洋風建築の父」とか、言ってもいいのではないでしょうか。

 

 

 

長くなりますが、

近所の気になった建物。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かわいい交番。

 

 

 

毎度、透かしブロックチェーック。

この模様も組合せ方も初めて見るー!

縦にふたつ並べるって!頭柔らかいね!ラブ