麻吉旅館から移動しまして、

前回内宮方面に来た時、気になったところを

見に来ました。

 

※外観のみです。

 

神宮の博物館 (isejingu.or.jp)

 

神宮徴古館

神宮徴古館は明治42年に日本で最初の私立博物館として

創設された伊勢神宮の「歴史と文化の総合博物館」です。

神宮をより詳しく知っていただくため、

おまつりや歴史・文化に関する資料を中心に展示しています。

館内には国の重要文化財11点、歴史・考古・美術工芸品など約13000点を収蔵しています。

※「神宮の博物館」HPより


 

明治42年。片山東熊設計。

東熊と言えば、赤坂離宮、東博、京博、奈良博でお馴染みですね。

これらはネオ・バロック様式ですが、

神宮徴古館はルネッサンス様式となっています。

東熊の数少ない古典主義的な作品だそう。

確かに。

 

 

 

当初は煉瓦造1階建てでした。

昭和20年空襲を受け、損傷しました。

外壁やパラペット部分は無事で、

あとは改修されたようです。

外壁には機銃掃射かな?跡が残っているそうです。

残念ながら、未確認。

 

 

厳然たるシンメトリー。

 

 

ちょっとおもしろいのが、

付け柱や軒周りは花崗岩なのですが、

外壁のタイルは花崗岩(御影石)に似せたタイルなのです。

擬花崗岩!

肉眼では見えませんが、もうひとつ上の写真で、

パラペットのバラスターも擬花崗岩。

日本でもっとも古い御影風テラコッタとなっています。

 

 

 

続きまして、すぐ近くにある、

神宮農業館

神宮農業館は天照大神と豊受大神の御神徳を広め、

「自然の産物がいかに役立つか」をテーマとした日本で最初の産業博物館です。

皇室から賜った品や伊勢神宮のおまつりで神様にお供えする神饌しんせんを始め、

明治時代の内国勧業博覧会ないこくかんぎょうはくらんかいなどに出品された産業資料、

またサメの剥製はくせい蝋細工ろうざいくの植物模型等、自然科学系資料も多く収蔵・展示しています。

 

※「神宮の博物館」HPより

 

こちらも設計は片山東熊。

現在の建物は徴古館と同じぐらいにできたのかな。

平等院鳳凰堂をイメージした和洋折衷の建物で、

東熊の数少ない木造建築です。

 

産業博物館ですが、擬洋風の学校みたいですね。

 

徴古館は見学できます。

撮影は不可。

農業館は今は見られなさそう。

 

そこからまたすぐ近くに

皇大神宮別宮 倭姫宮(伊勢神宮 内宮)があります。

大正12年にご鎮座されたそうです。

 

ここが落ち着いた、いい雰囲気の神社でした。

 

境界標ですね。

 

 

 

 

 

隣の空き地?は遷宮するためのものでしょうか。

 

 

心穏やかになる雰囲気でした。

 

 

また移動しまして、

近鉄の宇治山田駅に向かいます。

 

宇治山田駅。

当時は参宮急行電鉄(現在は近鉄大阪線・山田線)

のターミナル駅として1931年に開業。

 

駅舎は、難波駅の高島屋が入る南海ビルディングも手掛けた

久野節の設計。

登録有形文化財です。

 

間口は120mもありますが、クリーム色の外観が

圧迫感を和らげているように思います。

後述しますが、5階建ての塔屋がついています。

 

この装飾が気になりますよね。

軒蛇腹部分にはスパニッシュ瓦葺き。

5スパンになった、張り出したテラコッタ装飾があります。

柱の上部には壺飾りみたいなものがありますね。

各スパンの中央には八角形の明り取りの窓。

その周りにもおもしろい文様のテラコッタで装飾されています。

 

正面の上部にはスクロールにはさまれた壺飾り。

その下のモールディングには、蓮弁とエッグアンドダーツ。

 

 

この文様も初めて見ます。

神鏡のようだ、という解説をされている人もいらっしゃいます。

そう言われれば、中央の丸が鏡に見えます。

伊勢神宮の玄関口として開業した駅だからかなあ。

 

 

コンコースの天井。

 

 

八角形の明り取り。

 

 

3階のプラットフォームに上がります。

古レールチェック!

USスチール・テネシー社製。

判読しづらいけど、1922年か?

私は1番線しか見ていないのですが、

テネシー社製のものしか発見できませんでした。

 

 

宇治山田駅で見たかったのが、こちら!

1番線の外側にある転車台です!

 

これ、電車じゃなくてバス!!の転車台なんですね!

 

転車台から先のほうはスロープになっています。

特急バスがスロープからホームまで上がってきて、転車台で方向転換して、

特急列車と接続していたそうです!ポーン

画期的!!

 

転車台を外から見たところ。

 

 

ホームの屋根の間から見える塔屋。

なんとこれは、火の見櫓を兼ねていたそうです!びっくり

1階には消防車の車庫も残っているそうです。

ああ、見てないや。悲しい

 

 

ここは、駅近くの近鉄と参宮線が立体交差するポイント。

お伊勢さん参拝の乗客を取り合うライバルですね。

現在、参宮線は経営状態は厳しいようです。ショボーン

 

 

おまけ。

これは、「さかい利晶の杜」の企画展の展示品。

昭和6年、参宮急行電鉄(現近鉄)が上本町駅から

宇治山田駅まで開通した時のポスターです。

吉田初三郎の作品です。

「上本町~急行二時間半 京都奈良方面から便利になりました」

「優秀ローマンスカー連結運轉・煙草ものめ、便所もあります」

 

お伊勢参りの絵とコピーが時代を物語ります。