前回に引き続き、「INFPの表現活動論」と題して、INFPの「活動」についてもう少し掘り下げていきます。
前回の記事→INFPの表現活動論①「活動」とは何か?
※「INFPの表現活動論」では、「仕事」という概念を超えて、INFPにとって自己の世界観を表現する「活動」とは、いかなるものなのかについて考えていきます。
■「活動」を理解するための概念
みなさんは、人間の人生を、漠然と2つの軸で捉えているのではないでしょうか。
一つは、生活。つまり、プライベートの領域。
もう一つは、仕事。つまりは、社会人としての、公的な領域です。
私生活と公的生活、その両方を充実させたいと考えるのが、一般的な社会人の在り方だと言えます。
もちろん、お金を稼ぐという意味での「仕事」をしていない場合でも、社会的な役割というのはあります。
例えば、母として、町内会長として、PTAの一員としてなど、
「個」としての「私」を超えて社会的に位置づけられるものを、公的領域と考えています。
一方で、INFPの充実感は、この二つの軸だけでは捉え切れません。
私生活ではパートナーもいて、仕事も安定している。でも何か物足りない…といった感覚。
子どもがいて母親としてがんばり、仕事でもある程度重要なポストを任されている。でも、このままでいいのかな…という気持ちが湧いてくる。
希望の職種には就けたけれど、このままずっと同じ職場で過ごすと思うと気が遠くなる。
このように、一見外から見れば、何の問題もないような状況に対して、漠然とした不安や物足りなさを感じてしまうということがあります。
私は、こうした状況に対して、「私的生活」と「公的生活」という二つの領域ではなく、
「活動的生活」の軸からも捉える視点を提案したいと思います。
■「活動的生活」とは何か
そもそも、「活動」とは何かを振り返ります。
私は、世間一般の言う「仕事」と対比して、「活動」を定義しました。
皆さんのイメージする、「仕事」とは、
「生活を維持するためにお金を稼ぐ手段であり、既存の職種の中から選択しなければならないもの」
という価値観があると思います。
一方で
「活動的生活」(活動的生き方)とは、
「自分なりの価値観や考えを何らかのユニークな形で表現しそれによって他者や社会と関わること」
です。
(詳しくは、こちらのブログ記事に詳しく書いています↓)
INFPの適職さがし③ 「活動」とはなにか―「自分」を軸として世界観を表現する
その「活動」は、それで収益が得られているかや、社会的地位や名声に関わりません。
その行為そのものに価値があると考えます。
そうした、「活動」の視点から、私たちの「生活」(人生)を振り返ると、私たちの行動は、以下のように分類することが出来ます。
①生命維持活動
②作品作り
③活動(コミュニケーション)
これまでの、「プライベートor仕事」という二項対立から離れて、
「活動」という軸で日常の行為を見ていくことで、より「活動的生活」の実態が見えやすくなります。
■生命維持/作品作り/活動(コミュニケーション)
それぞれの項目について具体的に解説していきます。
①生命維持活動
生命維持活動とは、その名の通り、生命を維持していくために必要な活動です。
例えばご飯を食べたり、お風呂に入ったり、睡眠をとったり、といった、毎日しなければならないことです。
実は一日の大半はこの「生命維持活動」で占められています。
しかし、これをしなければ死んでしまうので、やらなければなりません。
「ご飯を食べる」行為そのものだけでなく、食材を買ったり、調理したりということも含みます。
服を洗濯したり、部屋を掃除したりといった行動もそうです。
後述する、「表現活動」として、これらの活動が行われる場合もありますが、
とりあえずここでは、生きるために必要な、毎日やらなければならないこと、というイメージでとらえてください。
②作品作り
これも文字通り、「作品」を作ることです。
これは、芸術などで言われている「作品」を作る過程をイメージしてもらえればわかりやすいと思います。。
ある程度の時間をかけて、「作品」を作る過程です。
この「作品」とは、「生命維持活動」で消費されるものではなく、
ある程度の耐久度があり、自分の手を離れてもある程度存在し続けるものです。
例えば、本を考えてみましょう。
執筆には時間がかかります。
しかし、一度出版されれば、書店や図書館などに残り続けます。
最近流行しているYouTubeの動画なども、ある程度編集などに時間がかかるでしょう。
一度アップロードされれば、半永久的にそこに残り続けます。
そうした、耐久度があり、自分の手を離れてもある程度の時間残り続ける「作品」を作る行為が、「作品作り」です。
この「作品」には、絵画や文学などの、いわゆる「芸術」のカテゴリに当てはまるものだけでなく、
例えば、ブログの記事や、動画、マンガから、講座で使うレジュメやプレゼン資料など、様々なものに当てはまります。
それが「作品」になるか、「生命維持活動」の一環になるかは、その人の「活動」が何なのかによって、変わってきます。
③活動(コミュニケーション)
「活動」は、「作品作り」で制作された「作品」をもって、他の人々と対話する(コミュニケーションする)ことです。
作られた「作品」を、人の目に触れるところ、つまりは広い世界に投下して、自分以外の人たちに見てもらうことを指します。
狭義の意味での「活動」は、作品を通して直接的な対話などのコミュニケーションを意味しますが、
私は、直接的な対話だけでなく、その作品を見た他の人がまた何らかのリアクションをすることの総体として考えています。
インターネット社会では、「作品」が瞬時に多数の人々に見られることが可能になりました。
その人本人とは話をしたことがなくても、例えば、Twitter上でいいねをされたり、シェアされたり、
またそれが別の人のリアクションを誘発していきます。
こうした、インタラクティブなコミュニケーションそれ自体を指して「活動」として捉えていきます。
▲図:活動的生活を構成する3つの行為
■厳密にはきっちり分けられない
もちろん、現実的な私たちの生活においては、厳密にこの三者に分けられる活動ばかりではなありません。
便宜的に、イメージとして捉えていただければと思います。
この、「生命維持活動」の観点から考えれば、
実は普段にしている「労働」も生命維持活動の一つとして考えられる場合もあります。
普段の「労働」が「生命維持活動」なのか、「活動」なのかは、
その人が何をしたくて、その「活動」が何なのかによっても変わります。
まだイメージすることが難しいかもしれませんが、
今後、「活動」や「表現」について語っていくときに、
「活動」についての概念を先に説明しておかなければ、話が通じなくなるので、
詳しく述べていきました。
次回からは、「作品づくり」と「活動」の関係について、もう少し詳しく考えていきます。
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