聖人は大欲
翁のことばに、世人はみんな、聖人は無欲だと思っているが、そうではない。その実は大欲なのであって、その大というのは正大の大なのだ。賢人がこれに次ぐもので、君子はそのまた次だ。凡夫のごときは、小欲の最も小なるものだ。およそ学問とは、この小欲を正大な欲に導く術のことをいう。では大欲とは何かよいえば、万民の衣食住を充足させ、人々の身に大きな幸福を集めようと欲することだ。その方法といえば、国をひらき、物を開びゃくし、国家を経綸し、庶民を救済することだ。だから聖人の道を推しきわめてみれば、国家を経綸して、社会の幸福を増進することに帰着する。その趣旨は、大学・中庸などにはっきり見られる。聖人の意欲するところは、実に正大ではないか。よく考えるがよい。
感想
今日のお話から欲の意味が一般的に思われているのと違うようです。正大な大欲とは、万民に豊かな暮らしが出来るようにすることだそうです。
現在、国を考える時、万民に対して本当の意味で豊かな暮らしをさせているのか、聖人の方々はどのようにお考えか、聖人の考えるところで考えてみたいと思います。
ウスイツカサ