「10週相当の大きさしかない」
「ピクピクとした動きもない」
「…」
自分が何て答えたか、覚えていない。
何も言わなかったのかもしれない。
看護士さんの声がした。
「〇〇先生のお部屋が空きました。
違う先生と機械で、ダブルチェックしましょう」
診察室を移動して、女医先生に見てもらう。
それでも、
何度見ても、誰が見ても、結論は変わらないようだった。
女医先生の診察室は、エコーの機械が新しいものみたいで、
動かなくなった赤ちゃんの身体をよりハッキリ映し出していた。
「水分を吸って、少しむくみが出ています」
「最近ではなく、少し前に亡くなってしまった様です」
「残念ですが…」
涙は出なかった。
こんな時でも、人前で取り乱すのが恥ずかしいことだって思ってる自分に驚いた。
予定がつくなら明日、手術をしましょう…と、どんどん話が進んだ。
私はそのスピードに付いていけなくて、
夫と話がしたくて……
一旦待合室に出させてもらった。
周りには何人か妊婦さんがいたから、隅っこで声を殺して夫にTEL。
「赤ちゃんの心臓が止まってた…」
夫は、マジか、と言って黙った。
彼は、出来るだけ早く帰るから、と言って電話を切った。
手術は、翌日に受けることにした。
もう、亡くなってるのだから…と、諦めている自分がいた。
手術を受けるのに必要な検査を、3つぐらいした。
大きな病院だけど、回る順番を書いたプリントをもらってサクサク進めた。
書類だったり諸々の手続きをして、病院を出た。
さっき通ったばかりの、商店街。
来た時とはまるで違う気持ちで、荻窪駅に向かって歩いた…