Dr.誠です。

 

まずはこちらの動画をご覧ください。

河野太郎デジタル大臣が強引に保険証を廃止することで、この国の医療がいかに壊れそうになっているかがおわかりいただけるかと思います。

 

 

今使われている保険証は今年2024年の12月2日をもって廃止すると、今の政権によって先の国会で勝手に決められてしましました。しかしこれにより、現場の扱う書類は、今の1種類しかない保険証から、なんと9種類まで増えてしまうわけです。もう大混乱必至です。


どんな書類が12月以降に窓口で扱われるのか。


まず、①有効期限の残っている「現行の保険証」、そして②「マイナ保険証」、さらに③スマホに搭載できるといわれている「マイナ保険証(スマホ版)」、④修学旅行時などに紙に印刷して持たせようという「マイナ保険証(pdf版)」、⑤マイナ保険証が医療機関で使えなかった時のために持ち歩かせようというマイナ保険証所持者のための「資格確認のお知らせ」、そして⑥マイナ保険証を登録していない人のために単に保険証をそのまま名前を変えただけの「資格確認証」(これはそのうち廃止されるといわれています)、⑦窓口で資格確認できず全額自己負担になってしまった時用に「3割だけの負担にしてください」ということで医療機関が記入して負担減免を申し立てる「資格申立書」、⑧認知症や施設入所のため暗証番号や顔認証ができないひとのためにその他の機能を制限して保険証機能しか使えなくした劣化版「マイナ保険証」、そして2026年からはあまりにもトラブル続きで評判が悪くなったがために河野大臣が勝手にぶち上げた⑨「新マイナンバーカード保険証(仮称)」です。

 

これ全部、「現行の保険証を残せば」なにひとつ問題が起きなかったものです。しかし、保険診療の窓口に河野大臣が「これがデジタル化」「現場には理解を頂く」とごり押しに次ぐごり押しで押し付けた結果、これだけたくさんの書類を扱うことになってしまいました。1枚で済んでいたはずの現場の処理が、「9種類」もの書類を扱うことになった。不便にしておいてなにが「デジタル化」か。


なにせ現場は「90%以上」がこのマイナ保険証の導入に反対しているわけです。現場の声など全く聞かずにこうしてことが決められてしまったわけです。

 

 

 

そして今回、2年に1度行われる今年の診療報酬改定では、コロナ禍で医療機関が地域の人たちの命と健康を守るために離職者も出しながら懸命に頑張った中で、「コロナで医療機関は儲けすぎだ」との財界の言いがかりを丸ごと飲む形で、とんでもない大幅な診療報酬の削減が図られました。保団連の推計では内科系診療所では月あたり18万円、年220万円もの減収が見込まれています。人が一人雇えなくなるレベルの減収です。物価は2.5%も上がっているのに。

 

 

 

 

 

 

これでは、医師患者ともに高齢化著しい地方の医療は守れません。そして今回、「わずかなプラス改定部分」は大半が、冒頭の「マイナ保険証」の普及に費やされているのです。本当に許せません。

 

なぜ彼らがこんなに「マイナ保険証」にこだわるのか。それはマイナ保険証の導入で、医療機関のパソコン周辺機器の需要を生み出せるからです。そうした家電企業からの献金が見込めるからです。国民の利便性など、その献金に比べたら「どうでもいいこと」だからです。そしてもう一つはマイナ保険証関連で医療機関に強制的に「患者データ提出」をさせることで、病気の多い患者さんの「自己負担を大きくする仕組み」を構築しようとしているからです。保険料を上げたり、窓口負担を増やしたり、医療機関への支払いを制限する仕組みを導入しようとしているからです。それにより医療費、社会保険料を削減し、その浮いた財源を献金してくれる大企業の減税に回したり、アメリカに対して勝手にローンでの支払いを決めてしまった「ポンコツ兵器」を買うための軍事費に充てようとしているからです。

 

こうしたことは今国会3/14の参議院の高橋千鶴子議員の質問でも明らかにされています。少子化対策はなぜか我々社会保障分野の予算からしか捻出する気がない、なぜなのか、という問いに対して、政府側が「その他の財源は軍事費増強に充てないといけないから」と答えているのです。しかし、100歩譲って同じ「命を守ろう」という手段を模索するのであれば、なぜそんな本末転倒な予算の削り方をするのか。割り振り方をするのか。



 

私たちは「保険証を残そう」の運動を進めています。

ぜひぜひ皆さんに力を貸して頂きたいのです。

 

 

 

皆さんの命を守るための保険証。それが今、政治の道具としてもてあそばれています。協力してもいいよという方、院内に署名用紙があります。是非あなたの力を貸してください。一緒に命とその尊厳がちゃんと守られる社会のために、力を合わせましょう。