Dr.誠です。
連日のミュージカル談義ついでに一番好きな演目の話を。

劇団四季にすごくハマっていた時期がありました。研修医の頃です。大学時代から引き続いて社会人コーラスもやっていて歌ももっと上手くなりたかったし、いろいろと忙しくて気持ちがつかれていたからだと思います。研修の途中から当直明けがちゃんと休みになったので(32時間以上の連続勤務は昔の医者は当たり前でした)、名古屋の劇場だけでなく新幹線にのって東京の汐留まで行って見てみたり、某掲示板でキャストを調べて大阪まで見に行ったりもしていました。


▼リンク
https://www.shiki.jp/applause/wicked/ 

『ウィキッド』作品紹介|劇団四季誰も知らない、もう一つのオズの物語。劇団四季ミュージカル『ウィキッド』。緑色の肌と魔法の力を持って生まれ、自由と正義を求めた少女が、なぜ永遠に悪い魔女と呼ばれるようになったのか。名作「オズの魔法使い」に隠された、誰も知らない真実とは。リンク劇団四季 

 


『ウィキッド(WICKED)』。

WICKEDとは邪悪な、という意味。誰が本当に邪悪な者なのか、なにが本当の真実なのか。大ヒットしたブロードウェイミュージカルの日本語版で、『オズの魔法使い』を下敷きにした『良い魔女』と『悪い魔女』のアナザーストーリー。ネタバレ要素を多分に含むのですがすこしご紹介。ぜひ上演されていたら見に行ってみてください。そしてぜひ、『オズ』の話をすこし読んでから、見てみてください。

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オズの魔法使い。竜巻でオズの国に飛ばされた少女ドロシーが、勇気のないライオン、心を失ったブリキのきこり、頭脳のないカカシを仲間に、もとの世界に戻るため『オズの魔法使い』に会いに行く、という話。エメラルドシティにいる魔法使い。西の悪い魔女。死んでしまった東の魔女。マンチキンの人々。もとの世界に戻るための靴。いろんなキーワードがこの『WICKED』にも活かされています。また、オズの有名な『Over the rainbow』という曲。同じ音形で譜割りを変えてWICKEDに用いられているのも面白い。いい曲一杯のミュージカルです。

WICKEDの冒頭。西の悪い魔女が死んだことを喜ぶ民衆と、そこに現れた『良い魔女』。実は悪い魔女とは古い知り合いだったと告げる彼女。物語はそこから始まります。Openingを飾る『No one mourns the Wicked』( 誰もWickedを弔わない)。『誰にも愛されぬまま独り死んでいった、それが彼女の悲しき定め』と歌う『良い魔女』。様々な違和感を含んだ幕開けに、期待は高まります。良い魔女と悪い魔女の、ふたりの青春時代。壮大に広がった伏線の、最後の回収に至るまでが、すべてがあまりに見事な作品です。皆さんに絶対に見て欲しい。

一幕の最後。
私の大好きなシーンです。
このシーンに、どれだけ私の人生は勇気付けられたことか。


▲劇団四季ホームページより
https://www.shiki.jp/applause/wicked/gallery/images/photo/photo_130.jpg

群衆が『魔女を殺せ』と叫び集う中、『私はここよ!』とひとり輝かしく飛び立つ『悪い魔女』。歌われる『Defying gravity(自由を求めて)』は、生きていく上で振りかかる様々な重力=gravityを振り払い、決然と自分の人生を選びとる様子を壮大に描いた、素晴らしい名曲です。


ネタバレは避けたいのでyoutubeは貼りませんが。
とにかく上演されていたらぜひ、見て欲しいですね。


『オペラ座の怪人』の話はまたどこかで。
この作品にも相当こだわりがありますんで。