Dr.誠です。

皆さんにも是非知って貰いたい事件。アメリカで2020/5/25、ある黒人ラッパーが言いがかりをつけられ白人警官に組伏せられ、命を奪われるという事件が起こりました。亡くなったのはジョージ・フロイドさん。未だに黒人差別や警官による暴行事件は後を絶たず、各地にその怒りが広がっています。5/31のNHKニュースによればこの6年間で、警察に拘束された黒人が亡くなるケースが1700人に及ぶとのこと。以下のリンクには7分ほどの動画がついてます。是非ご覧ください。

▼ワシントン・ポスト記事

https://www.washingtonpost.com/nation/2020/05/30/video-timeline-george-floyd-death/?arc404=true


▼Twitter上の解説投稿
Neo Sora@nope_sooope
さんから引用






レゲエにしてもラップにしてもゴスペルにしても、彼らの歴史的な抵抗運動と不可分な文化なわけです。日本でこうしたジャンルに関わる人達こそ、『政治とは距離をおきたい』『音楽に政治を持ち込むな』ではなく、彼らとともに怒り、政治的に社会に訴えないといけないと思います。

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さて、『トーンポリシング(Tone policing)』と言いますが、こうした事件の背景や本質的な問題を考えず、暴動や略奪などの抗議の『方法』が過激であることだけで抗議側を叩くような、『論点ずらし』をすることに与(くみ)してはいけません。悪いのは暴動自体ではなく、根深い黒人差別なんです。白人至上主義なんです。

日本における『トーンポリシング』の実例を提示します。



ここに例で挙げられている『平和』も『差別反対』も『誹謗中傷反対』も全くもって正しいこと。その抗議の『方法論』の良し悪しに話をずらし、『言い方が悪いから』と冷笑的に叩くことは、それら被害者の必死の思いに対して『侮蔑的』ですらあると私は思います。『やり方が悪い』というのは当事者からしたら仕方のないこと。それに対して『普通の声で言いなよ』と言うのは寧ろ、その物事の表面しか汲み取れない人間の方の浅はかさこそが叩かれるべきことでありましょう。

皆さんも、こういうつるの剛士氏のようなニセ愛国芸人の『トーンポリシング』に与してはいけません。彼が同意してリツイートしている『言い方が悪いやつの方が悪い』というのはまさしく、この『トーンポリシング』です。日本社会はとかくこの『トーンポリシング』がひどい。冷静じゃないやつの方がバカ、みたいなね。こんなんだから性暴力被害とか弱者いじめとかがなくならないわけです。当事者が必死に声をあげれば荒くなる。当たり前のことです。これに日本は『女性蔑視(ミソジニー)』が加わるからさらに質が悪い。女子供は黙れというのが日本の風土病です。ちゃんと治療しないと。

敢えて私らしくない、彼らの求める『普通のトーンで』言ってみます。「つるのさんは間違っている。日本社会が元々持っている『自粛警察』的な、被害者の気持ちを自発的に封じるような言説に加担してはいけないと思います。芸能人として発言の影響力を鑑みて、行動された方が良いと思います。」

…なんかもの足りんよね。伝わらんよね。新聞報道のようで。それは『怒り』もまた、大切な心情表現の方法だからです。ちゃんと怒って良いのよ。被害者や当事者ぐらい。『トーンポリシング』などクソ食らえ!