あるいは単純すぎるというか・・・・

ある程度できるようになってくると、そうした問題に逆に手掛かりがつかめないことが出てくるというのはよく見られる現象。複雑な問題を幾つかのパターンの組合せで解くのに慣れてしまうんだね。


昨夜のN嬢(高2)がそうだった。学校からの宿題プリント(「基礎の確認問題」と書いてある)をやっていて、それなりに高度そうな問題は自力で解けている。そして唸っているのが2問。そのうちの1問に救いを求めてきた。

〔問題〕
sinθ=-√3 cosθ (0≦θ<π) のとき、θの値を求めなさい。


“おいおい、こんな単純な問題をなんで?”
“単純すぎてやり方が思いつかないんです。”
“このままじゃできないから、θが出せる形に与式を変形するさ。”
“このままでも形が単純すぎるんですが。。。。右辺の-√3 cosθを左辺に移項して合成するとか、両辺を2乗して1-sin^2 θ=cos^2 θを利用してcos θの二次方程式を作るとか・・・?”
“思いついていたんならそれをやれよ、やらんできいてくるな!”

N嬢、なんとなく騙されたような顔をしながら頭を掻き掻きやった。

“先生、できましたけど・・・・もっと簡単にできそうな。。 何か見落としているような。。。”

“はっはっはっ、なかなかいいカンをしてる。あるよ。さっきの合成も二次方程式にするのも、理屈は2つある三角比を1つにしたってことだろ。”
“・・・・・・”
1つの三角比にしたってことだろ。”
“・・・・・・あああっ、先生~! これ両辺をcosθで割れば1つのtanθになる~!?”
“ああ。それが一番早道、暗算問題さ。ただ、記述ならcosθ≠0を確かめて書かないとだめだよ。”

“先生、先にそれを言ってくれればいいのに~。”
“気づかぬN子が悪い。”


うらめしそうにこちらの顔を見る彼女。 でもまぁ、こういう当たり前の気付きがだんだん無くなっていくんだよな。

初心忘れるべからずだ!