今、セラピー業界は飽和状態にあります。
すでに 実感を抱いていらっしゃる方も多いでしょうが、
あっちにも こっちにも 様々なセラピーが溢れる中、
セラピストが人から選ばれ、生き残っていくためには、
常に学び、自分を高めていくことが不可欠となっています。
そんな状態の業界ですので、例えばセミナーや勉強会 等の学びの場に
参加して、その道のプロフェッショナルである講師から学び、
知識を深め、広げていくことは とても大切なことです。
しかし、残念なことですが、いくらセミナーなどで知識を学んでも、
実際に学んだことを行動に移すのは、僅か5%程度と言われています。
残りの95%はセミナーなどを受講しても、
「良い話聞いたな。勉強になったな」と、
その時だけ満足して、そのまま元の日常に戻ってしまうのですがら、
これでは折角の学びが 何の意味もないものになってしまいます。
ただ、これは、「効果的に習慣を身に着ける方法」でもお話した
“現状を維持しよう”という、人間の本能にも関わることですので、
95%の人々が怠け者だとか、そういう話ではありません。
とにかく、新しい事を定着させるのは容易ではないのです。
そこで、今回はセミナー等を受講した時に、より知識を深く学び、
そして確実に自分の血肉へと 身に着ける方法をお伝えしてまいります。
是非、学びを身に着ける5%に入る様になってください。
学びを身に着ける3ステップ
では、実際にどうするのかというと、
学びを身に着けるのは、
1、疑問点を質問し、解消する
2、学んだ事をすぐに実践する
3、実践する中で出てきた新たな疑問を講師に質問し、解消する
3ステップが基本になります。
一つづつ説明してまいります。
①疑問点を質問し、解消する
セミナー等で、わからない所は放置せず必ず講師に質問をしましょう。
「分からない事が何もない。全て完璧に理解できた」という場合は
飛ばして良いステップですが、そういうことはまずあり得ないでしょう。
真面目にセミナー等に参加していれば、
「これってどういうことだろう?」
「こう言っているけど、この場合はどうなんだろう?」
など、何かしらの疑問、分からない事があるものです。
そのような疑問は、講師に質問をして
全て潰してしまうようにしましょう。
ただし、質問の仕方には注意してください。
ただ「分かりません」といわれても、講師としても、
あなたが、“何が分からないのか”が 分かりませんので、
曖昧な答えしか返すことができなくなってしまいます。
また、分からないからと言って、ただ答えだけを聞いたのでは、
直ぐに忘れてしまい、自分の身にもなりません。
まずは、一度は問題について自分なりに考えてみましょう。
一体、自分はどう考え、どこで躓いてしまったのか?
順を追って整理してみると良いでしょう。
そうやって自分なりに考えることで自分の思考力も
鍛えられていきますし、何をどう考えて、どこで躓いたかを
伝えることで、講師も的確な答えを返すことができるようになります。
また、特に、自分がセミナー等に参加する動機となった
疑問については必ず、スッキリと解決できるまで徹底的に聞きましょう。
あなたがセミナー等に参加したということは、おそらくは現状、
何かに躓いていらっしゃるのでしょう。
既にクライアントに対してセラピーを実践しているけれど、
何故か望むような結果を出せていなかったり、
今までにない、新しい問題に直面して、どう対処したら
良いのか分からない、など、何かしらの困った事があるからこそ、
セミナー等に参加して学ぼうと思うのだと思います。
ならば、その動機となった事柄については一切の妥協をせずに、
疑問が無くなるまで、講師を質問攻めにしてでも解消するべきです。
たまに、「質問したら悪いんじゃないか?」とか、
「こんなこと聞いたら変に思われるんじゃないか?」とか、
いろんな事を考えて、質問するのを躊躇う方がいらっしゃいますが、
そのような事は一切、考える必要はありません。
むしろ、
「しっかり答えられるか講師を試してやる」
くらいの気持ちで質問すればいいでしょう。
もし、あなたがしっかりと質問をしたにも関わらず、回答が曖昧で
抽象的であったり、上手くあなたの質問に答えられない講師で
あったなら、その講師には早々に見切りをつけて下さい。
疑問を解消してくれない講師に、それ以上、時間もお金も
割くべきではありません。もちろん、質問を嫌がる講師などは論外です。
運悪く、そのような、変な講師に当たってしまったのなら、
潔きよく新しい講師をさがしましょう。
また、新しく講師を選ぶ時は、“何を言っている人か”
ではなく、“実際に、どんな結果を出した人か”
で選ぶとよいでしょう。
②学んだ事をすぐに実践する
人間は忘れる生き物です。
学んですぐの時には、学んだ全てを頭の中に叩き込み、
あたかもセミナーの内容を完全にマスターしたような、
そんな気持ちになる事もあるでしょう。
しかしながら 実際には、学んだ後、何もしなければ 3日もたてば、
その内容のほとんどが頭の中から 抜け落ちてしまっています。
これはもう、人間の脳とは そういうものだと思って
受け入れて頂く他ありません。
なので、忘れてしまうより前に、出来ればセミナー等で学んだ翌日には、
学んだことを 実践していくことが重要になります。
実際に、習ったことを確実に身に着けている人は、
大なり小なり、習ってすぐに実践しています。
「まだ内容を完全には消化しきれていないから・・・」
「まだ他にも学ぶべきことがあるから・・・」
と、失敗を恐れて 実践を躊躇ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
ですが、「「失敗」の恐怖を乗り越える方法」でもお伝えしたように、
別に失敗したって良いのです。
それが普通であり、全ては自分自身の糧となるのです。
セミナー等の内容を 完全に理解できていなくても構いません。
何かしら実践すれば、何かしらの反応が得られます。
実際にやってみて、初めて理解できることもあります。
そうやって得られたすべてが、次のステップへと繋がっていくのです。
③実践する中で出てきた新たな疑問を講師に質問し、解消する
実践をすれば、それが良い結果であれ良くない結果であれ、
何かしらの結果がでます。
そして、実践をしていく中で、新たな分からない所や疑問点、
当初は想定していなかった、実践したからこそ浮き彫りになった
問題点が見えてきます。
その疑問点や問題点を必ず講師に質問するようにしましょう。
もちろん、最初の質問と同様に、自分が何をどう考え、
そしてどのように実践してどう躓いてしまったのか?
しっかりと整理して、講師に伝えるようにしましょう。
もし、実践せずに、頭の中だけで考えて質問ばかりしていても、
理解が深まるどころか、今考える必要のない、関係のない疑問が
生まれていくだけで一向に前に進すことは出来ません。
しかし、実践し、その都度出てきた疑問を質問し、解決していくことで、
質問の内容もどんどん進化していきますし、どんどん知識が
自分の血肉として身についていきます。
また、セミナー等で配布された資料がありましたら、
もう一度、目を通しておきましょう。
新たに気づくことや、見落としていること、実践する前と後では、
全く感じ方が違う、実践したからこそ 大事なポイントだと気付ける
こともあるかもしれません。
後は、この質問と実践のサイクルを何度も繰り返していきます。
分からないことは質問して、問題が解消したら実践する。
そして、また問題が出て来るので質問して実践する。
これを繰り返すことにより、セミナー等で学んだ内容を
忘れることなく、自らの力とすることができます。
以上、学んだ知識を確実に身に着ける方法をお話いたしましたが、
如何でしたでしょうか?
せっかく知識を学んでも、ほとんど身に着かずに終わってしまったのでは、
非常にもったいないので、是非、試してみてください。