クライアントに好意を寄せられたときの対処方法 | セラピスト情報.com

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セラピストを目指す方に役立つ情報を発信していきます。

セラピストは、相手の心に寄り添う 職業柄、クライアントから
仕事上の関係を 超えた感情を 寄せられることが 多々あります。

ボディ系のセラピストだと、そもそも、“そちら系のお店” だと勘違い
している男性客も 一定数 おりますし、

精神系のセラピストだと、「転移」といって、クライアントが過去に、
特定の重要な人物 に対して持っていた様々な感情を
セラピスに対して 向けることがあります。

この 転移 の中でも、尊敬、信頼、愛情などの肯定的感情を向けるのを
陽性転移」といって、かなり頻繁に起こりえます。

ですが、特に 恋愛的な好意の場合は、職業倫理的にもタブーです。

何より、セラピーによっては、協会規則などに

「クライアントと 私的な関係を持たないこと」

など規定させているところもあります。

なので、対応は慎重かつ迅速に、そして確実に行う必要があります。


 

好意を向けられた時の心構え

最初に、前提、心構え としては、

寄せられる好意を真に受けず、心を動かさないこと。

です。

恋愛的な感情からの好意 はもちろんですが、
尊敬や信頼 の感情であっても 注意は必要です。

尊敬や信頼から、恋愛感情に発展してしまうことは
十分に考えられますし、

そもそも、

「あなたの 大ファンなんです」とか、
「全部 あなたの言う通りに〇〇しています」とか、

本来、あなた(セラピスト)に向かって 伝える必要のないこと を
わざわざ伝えてくる人 というのは、あなたから気に入られたい、
あなたの好意を得たい と思っていることの表れです。

ですので、相手からの好意が どのような種類のもの であってとしても
決して 油断はしないでください。

「これはただの転移。普通にあることだ」と、
割り切り、好意を伝えられても、

「そうですか。ありがとうございます。ところで・・・」
など、さらっと 受け流していきましょう。

あなた(セラピスト)側が、好意に反応せず、受け流していれば
そうそう、困った事態に発展してしまうことはありません。

恋愛的な好意にしろ、尊敬や信頼から来る好意にしろ、
いつまでも情熱を強く持ち続ける人というのは、
実のところ、決して多くないのです。

彼ら(彼女ら)も生きていて、いろんな物に触れて、
いろんな人と接しています。

ふとしたことが切っ掛けで、すごく好きだと思っていた気持ちが
嘘のように冷めてしまう など、当たり前にあることです。

また、セラピーを受ける人というのは、複数のセラピーを試している方も
多いので、他のセラピスト、他のカウンセラーに乗り換えることだって
当たり前にあります。

一時的に好意を伝えてきた相手がいたとしても、ずっと自分に留まって
いることは そうそう あることではありません。

とにかく、好きと言われようが、尊敬されようが、それは一時的な
ことであり、いつまでも続かないことを 徹底的に理解し、
いちいち、一喜一憂しないようにしましょう。

この時、相手の好意が冷めて、本来なら、
「ああ、トラブルに発展しなくてよかった。」と安心すべきところですが、

中には、

「あんなに好きって言ってくれていたのに!」と、
残念に思ったり、怒ったりするセラピストも、いらっしゃるようです。

正直、このようなセラピストは 何がしたいのか理解に苦しみますが、
とにかく、トラブルの元になるような事をセラピストから作るような
真似は絶対にやめましょう


当然ではありますが、セラピスト側から わざと距離感を近づけたり、
思わせぶりなセリフを言って勘違いさせよう などという
事は決してしないでください。

売り上げを上げようと、そういった短絡的な方法を取るセラピストが
一部にいるようですが、トラブルの原因にしかなりません。

また、

「こんなに愛される私ってすごい」とか、
「こんなに尊敬をあつめる私は偉いんだ!」

などと己惚れてしまう方も、一部にいらしゃるようなのですが、
ただの勘違いなので、十分に注意してください。

そもそも、あなた(セラピスト)に 救いなり 癒しなり を求めて
相手はやってくるので、好意的な感情を向けられるのは
ある意味、当たり前なのです。

好意を寄せられて当然。寄せられなかったら、
むしろセラピストとしてマズイ と思ってください。

それを自分がすごいから とか偉いから などと勘違いしてしまう人と
いうのは、最早、他者を癒す者、導く者としては失格です。

それでも、関係を求められた場合の対処法

決して頻繁にあることではありませんが、中には、
性的な関係を要求してくる という場合もあります。

これは、女性セラピストが男性クライアントから要求されるのは
もちろんですが、逆の場合も存在します。

かなりデリケートな問題ではありますが、
しっかりと対応できるようにしておきましょう。

 

女性セラピストの対策方法

女性が、男性から本気で 性的関係を迫られてしまった場合、
体格や筋力などの関係もあり、抵抗しても 逃れるのは難しいでしょう。

従って、そうなってしまう以前に、そのような状況にならないように
対策を講じておくことが大切
です。

もちろん、いくら何でも、いきなり襲い掛かってくる男性は
そうそう、いらっしゃいません。

ですが、「絶対にない」とは言い切れないし、
実際に“なってしまった”場合 非常に困ったことになるので、
常に最悪の状態を想定して 対策を取っておきましょう。

まずは、「どこでセラピーをするのか?」

つまり「場所」がとても重要になってきます。

サロンなど 人気(ひとけ)のある場所で、スタッフ達と共に
セラピーに臨むのが 一番安全
です。

他の場所で行う場合、間違っても、
ホテルで会うのは止めましょう。

どうしても、ホテルで会わなくてはいけないのなら、
せめて、誰かに一緒に来てもらってください。

「スタッフがおりますが、気になさらないでください」といっておけば
まず 断られませんし、それで断られるようなら、セラピーを
中止して すぐに逃げた方が賢明でしょう。

また、ホテルでなくとも、2人きりというのは大変に危険なので、
最低でも2人、できれば3人以上で 臨むようにしてください。


逆に、どうしても、一人で行かざるを得ない状況であれば、
2人きりにはならない、人気(ひとけ)のある場所を指定しておきましょう。


セラピーにもよりますが、会話だけで行える精神系セラピーなら、
喫茶店の一角を貸してもらう方法もあります。

勝手に席を占領して 長居をしては嫌がられますが、
喫茶店の店主さんと仲良くなれば、割と貸してもらえます。

何度か通って顔なじみになってから、

「実は私、こういう仕事をしてまして、
お席を使わせてもらっても良いでしょうか?」

と、自分について知ってもらい、席を貸していただく代わりに
報酬の 何パーセントかを お支払いするという話をすれば、
そうそう断られません。

お店にも利益が出るので、お店に広告を置かせてもらえたり、
常連客を紹介してもらえたりするので、Win-Winの関係を
築くことができます。

こういうお店を 一つでも確保しておけば、セラピーの場所には
困りませんし、自分の身の安全も確保できるので、大変重宝します。

また、他にも できる限りの防犯対策はしておきましょう。

催涙スプレーやスタンガンなど、ネットで数千円程度で購入できます
ので、もしもの時のために 一つは 持っておくと良いでしょう。

また、セラピー中は 必ず録音を行うようにしてください。

出来れば、録音機は2つ用意し、一つは、予め分からないように
隠して、セラピー開始前から録音しておき、セラピーが終了して、
相手が帰るまで、録音し続けます。

これは、いざと言うときに、確実に証拠を
残しておくためです。

もう一つは、セラピー開始時に 相手に録音する旨を告げて
録音を行います。

これは、録音していると告げることで、
「何かしたら証拠が残りますよ」と相手を牽制する意味があります。

もちろん、「証拠が残りますよ」なんて相手の男性に
直接的に伝えたりは しないでください。

録音をする理由については、

「セラピー中は録音して、後で音声ファイルをお渡ししますので、
また暇なときにでも聞いてください」

などと言って録音すれば、相手に不自然に思われることもないでしょう。


 

男性セラピストの対策方法

女性から男性に という場合は、比較的若い方が多いようです。

ある程度の年齢を過ぎた女性の場合は、自制心も強く、
「好き」とか「ファンです」とかは かなり言ってきますが、
性的な部分にまでは 踏み込んではきません。

ですが、女性側としても「男性側は ほとんど断らない」
ということを知っていますので、若い方だと、
かなりグイグイと来る方もいらっしゃいます。

男性側としては 色んな意味で辛いところですが、
隙を見せずに、しっかりと 鋼の精神で 自制しましょう。

具体的には、

まず、女性セラピストの時と同様に、安易に2人きりにならないのが
大切です。また、どうしても2人で話す必要があるときは、
会話内容は必ず 録音しておくようにしましょう。


2人きりだと、男性側が何もして居なくても、女性が
「そういうこと をされた」と泣きながら 警察に訴えれば
場合によっては 逮捕されてしまうかもしれません。

もちろん、そのような狂言までする方はそうそう、いらっしゃいませんが、
だからと言って絶対にいないとも言い切れません。

いざ、警察に取り調べられたとき、法廷に立たされたときに、
自分の身を守るため、「なにもしていない」という証明のためにも
常に最悪のケースを想定し、録音だけは最低限、忘れずに行ってください。

録音開始時には、しっかりと「いつ」の録音データなのかがわかるように、
「〇〇年〇月〇日、〇時〇分録音開始します」と一言入れておきましょう。


また、途中休憩などで録音を一時停止する場合も、再開時に時刻を
一言入れ、「休憩中、こんなことを話しましたね。これについて
どうでしたか?」など、休憩中のことについて軽く触れ、
相手の女性からも返事を貰っておきます。


こうすることで、「休憩中に何か行われたのでは?」と疑念を
持たれることを防止します。

このように 備えておくことで、困った事態に発展するのを
予防することができますし、最悪 発展してしまった場合でも、
冤罪は防ぐことができるので、落ち着いて対応できます。

そして いざ実際に、女性クライアントに好意を寄せられ、性的な関係を
要求された場合には、いきなり拒否して否定するのではなく、

「自分も、もちろんそうしたいよ」と、一度、相手の気持ちを受け止めて
あげましょう。実際には「したい」とは思ってなくとも、相手の名誉の
ためにも、「したいと思ってはいるんだよ」とは伝えて下さい。

その上で、

「今回は、“そういうこと”のために会っているわけではなく、

アナタ(クライアント女性)の〇〇のため(セラピーの目的)に、
お金も頂戴して会っているので、自分もしたいけれど、
我慢するから、一緒に我慢しよう」


という感じで伝えてください。

この「自分も本当はしたいけど、一緒に我慢しようね」という感じが
大切なので、棒読みで言うのではなく、しっかりと感情を
入れて「本当はしたいと思っているんだけど・・・」と伝えてください。

「じゃあ、どうしたらしてくれるのか?」と追及してきたなら、

「飽くまでセラピーとして、それ専用で、〇〇を改善する
(例えば、オーガズムを得られる体にする )など“そういう”契約をして
会うなら良いけれど、お金も頂戴することになるし、

そうやって契約して“する”というのも嫌でしょ?」

と、上記は飽くまで一例ではありますが、要は、
「女の方が金払ってまでするのは、流石に癪だよね?」といった感じで

相手の方のプライドや尊厳として「はい」とは言いにくい形で
遠回しに でも確実に断っていきます。

後は、ダメ押しとして、「そういうお誘いを頂いても、皆さん、
お断りさせていただいているんです」ということも
付け加えてもいいでしょう。

ここまですれば、ほぼほぼ、納得して諦めてくれます。


それでも、諦めずに「どうしても」という場合。

ここまで来たら、相手も気持ちが高ぶって、
引くに引けない状態になっています。

その場合は、最早、言葉だけでの説得は非常に
困難となるため、こちらとしても 最終手段となります。

相手に落ち着きを取り戻してもらうため、
自慰 をしてもらいましょう。

まず、部屋を戸締りし電気を消します。
そこでソファなどでゆったりとしてもらい自慰をしてもらいましょう。

もちろん、男性セラピスト側は決して手を出してはいけません。

手を握っててあげたり、肩を抱いていてあげたり、相手を安心させる
ための接触は しても良いですが、間違っても性的な接触は
しないでください。

そのまま絶頂を迎えてくれれば、
相手も落ち着きを取り戻してくれます。

終わったら、身だしなみを整えてもらって、必要なら掃除もして、
落ち着いたら、セラピーを再開しましょう。

前述したように、これは、仕事上の関係を超えないための
最後の手段であり、なるべく 行わなくて済むように努めてください。




転移は、トラブルに発展し易い、非常にデリケートな問題を孕んでいます。
常に 細心の注意を払い、適切に対処できるようにしておきましょう。

ただ、このような転移は、相手の心理に深く関わっているために、
そこを掘り下げていくことで、相手の心理を深く理解することの
助けになったり、セラピーを進展させるのに 重要な情報を発見できたり
する場合も多くあります。

詳しくは後日 お話しますが、セラピストとクライアントという一線を
しっかりと守りつつも、転移をセラピーの重要な情報源として捉え、
活用できるようにしていきましょう。