AIに要約や翻訳を依頼したものの、「必要な条件が抜けている」「途中で失敗すると、どこから直せばよいか分からない」と感じたことはありませんか。複数の処理をつなぐアプリでは、各工程の役割と確認方法を決めておくことが大切です。
今回は、OpenAIの「dots」と、APIで作るワークフローの違いを整理します。そのうえで、要約や翻訳を組み合わせるときに押さえたい設計のポイントを紹介します。
■ dotsとAPIワークフローの違い
OpenAIの公式資料では、dotsはツールやプロジェクトをまたいで作業を進め、必要に応じて利用者へ判断を求めるエージェントとして紹介されています。タスクを小さな「点」に分解する開発手法の名称ではありません。
一方、Pythonなどで「要約する、翻訳する、結果を表示する」という処理をつなぐ構成は、ワークフローとして設計できます。dotsを利用することと、OpenAI APIを使って自分のアプリを作ることは、区別して考えましょう。
参考:OpenAI公式「Meet dots」。提供状況や利用条件は、公式案内で確認できます。
■ 処理を分けると、何を確認しやすくなる?
例えば、日本語の文章を要約してから英語へ翻訳する場合、工程を分けると、要約と翻訳のどちらで情報が変わったのかを調べやすくなります。各工程の入力と出力が分かることが、修正の手掛かりになります。
ただし、細かく分けるだけで回答の正確さが保証されるわけではありません。呼び出し回数や待ち時間が増えたり、要約で抜けた情報が後の工程へ引き継がれなかったりする場合もあります。
① 工程の役割を決める
要約、翻訳、表示など、それぞれが何を受け取り、何を返すのかを整理します。入力確認や保存は、通常のプログラムで行う方法もあります。
② 確認する条件を決める
回答が返ったかだけでなく、日付・人数・金額・対象条件が原文と一致するかを確認します。処理の成功と、内容の正しさは別です。
■ 実装するときに押さえたい3つの視点
① モデルは実際の入力例で比較する
工程ごとに異なるモデルを使うことは必須ではありません。まず同じモデルで試し、品質・費用・待ち時間を確認して、必要な部分を見直します。
② 失敗したときの対応を決める
認証の不備と一時的な通信障害では、対応が異なります。すべてを再試行せず、原因に応じて停止・修正・回数を制限した再試行を選びます。
③ 調査に必要な記録を残す
工程名、処理状態、所要時間などを記録します。APIキーや個人情報を無条件に保存せず、記録する内容と保持期間を決めておきましょう。
途中から再開するには、完了した工程の結果や処理状態を保存する仕組みも必要です。関数を分けるだけで再開できるわけではないため、まず小さな処理で動作を確認してから機能を追加しましょう。
■ Pythonの実装例をHPで紹介しています
HPの記事では、PythonとOpenAI APIを使い、日本語の要約を作って英語へ翻訳するコードを掲載しています。環境変数の設定、回答の取得、エラー時の停止、生成内容の確認まで、処理の流れを順に解説しています。