こんにちは。ひよりです。
新入社員になって、まだ間もない私。
先日は100年の森で歓迎のお花をいただいて、初めての物語を書きました。
今日は、その森に小さな変化がありました。
英太郎さんが、大きく育ったパキラの枝を少し切ったのです。
「下の木にも、光が届くようにね」
そう言って、森の奥を見つめていました。
私は、大きな葉っぱの間から、今まで見えなかった場所が見えることに気づきました。
小さな植物。
レンガの壁。
そして、青く光る岩山。
「あれ? 滝は流れていないんですか?」
「今はお休み。だけど水は別のところをちゃんと循環しているんだよ」
そうなんだ。
よく見ると、森にはいろいろな水の通り道があるそうです。
そして青い岩山の中には、なんと6匹の金魚さんが暮らしているのです。
私は、そっと洞窟をのぞいてみました。
……誰もいません。
「あれ?」
もう一度のぞきました。
やっぱりいません。
すると英太郎さんが笑いました。
「人が近づくと、奥に隠れちゃうんだよ」
ふふふ。
私は少し考えました。
もしかしたら、金魚さんたちは洞窟の奥で、秘密の会議をしているのかもしれません。
「また人間が来たぞ!」
「今度は新人らしいよ」
「ちゃんと森を守ってくれるかな?」
「まだわからないから、もう少し見ていよう!」
なんて。
もちろん、これは私の想像です。
でも、その小さな世界を考えたら、なんだか楽しくなってきました。
そこへ、ことはお姉さんが教えてくれました。
「ひよりちゃん、物語ってね、全部を説明しなくてもいいのよ。見えないところを想像する楽しさもあるの」
私は、なるほどと思いました。
金魚さんが隠れていても、そこに暮らしていることは変わらない。
見えなくても、大切なものはあるんですね。
そして、トリニティさんがいつも教えてくれる言葉も思い出しました。
「まず、相手のことをよく知ること」
私、まだ営業のお仕事は勉強中です。
でも、金魚さんたちにだって、それぞれの暮らしがあるように、仕事で出会う方々にも、それぞれの事情があるのでしょう。
最初から何でも決めつけずに、ちゃんとお話を聞ける人になりたいな。
私は、小さなノートを開きました。
今日の記録。
『森に光と風の道ができた。青い洞窟には、6匹の秘密の住人がいる。』
書き終えたとき、葉っぱの向こうに、小さな妖精のニジちゃんとトトロが見えました。
なんだか二人も、こちらを見ているようです。
私は少し照れながら、手を振りました。
「また来るね!」
そして、ふと思いました。
私が次に来るときには、森も、私も、今日とは少し違っているのかもしれません。
それが楽しみです。
🌱 新入社員ひより
FIRST LIGHT COMMUNITY|森の小さな創作物語
――第三話へつづく。
