100年の森には、一本の金の矢があります。

水晶に支えられた、私の大切な勲章です。

ある夜、金の矢は森の木に尋ねました。

「私は、遠い世界へ飛んでいけるだろうか」

大きなパキラは答えました。

「どこへ行きたいんだい?」

「それがまだ、わからない」

パキラは、葉を一枚揺らしました。

「ならば、先に相手を探せばいい」

そのとき、森の奥で、小さな金魚が水面に顔を出しました。

「僕たちは、飛べないよ。でも、水が流れてくるから、ここで暮らせるんだ」

金の矢は考えました。

自分が遠くまで飛ぶことばかり考えていた。

でも、誰かのところへ必要なものが届くことの方が、大切なのかもしれない。

翌朝、森の主人がやってきました。

「さあ、また一本、放ってみるか」

金の矢は、少しだけ輝きました。

遠い世界のどこかで、まだ会ったことのない人が困っているかもしれない。

その人と出会えたとき、初めて矢の行く先が決まる。

世界を変えるのは、矢の強さではなく、その先にいる人との出会いなのかもしれません。

🌈 トリニティ

FIRST LIGHT COMMUNITY|森の金の矢