小さな森のある家で、主人は今日も遅くまで仕事をしていました。

机の上には、書きかけの資料。

まだ返事の来ない手紙。

そして、少し冷めたコーヒー。

主人はつぶやきました。

「もう少し、うまくいけばいいんだがなあ」

すると、二階から声が聞こえてきました。

「ご飯、できてるよ」

主人は、机の上の紙をもう一度見ました。

まだ終わっていません。

でも、立ち上がりました。

食事を終えて森へ戻ると、小さな花瓶には、淡いピンクのバラが咲いていました。

昨日より、少し花びらが開いています。

誰に褒められるためでもなく、ただ静かに咲いていました。

主人は椅子に座り、コーヒーをもう一杯いれました。




窓の外では、風が吹いています。

部屋の中では、植物の葉が微かに揺れています。

明日の仕事は、まだわからない。

けれど、今日できたことも、確かにありました。

主人は、そっと明かりを一つ消しました。

そして、森の小さな灯りだけを残しました。

豊かな人生とは、すべての仕事を終えた後に始まるものではないのかもしれません。

🌷 クイーンソラ

FIRST LIGHT COMMUNITY|小さな灯りのある家