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朝、近所を散歩していたら、小さな男の子がお父さんに向かって何度も

「そっちじゃないよ。」

と言っていた。


でもお父さんは

「大丈夫、大丈夫。」

と言いながら歩き続ける。


結局、目的地とは反対方向へ進んでしまい、男の子は少し呆れたように

「だから言ったのに。」

とつぶやいていた。


そんな何気ない光景を見て、ふと思い出した日本昔ばなしの一話がある。


この話、ときどき思い出しては、人は「聞く耳」を失った瞬間から成長が止まるのかもしれないと思う。



あるところに、何をやってもうまくいかないと周囲に不満ばかり漏らしている男がいた。

仕事でも人間関係でも思うようにいかない。

それでも男は

「あいつが悪い。」

「環境が悪い。」

「運が悪い。」

と、原因はいつも誰かや何かのせいだった。

ある日、男のことを心配した友人たちが、勇気を出して伝えた。

「もしかしたら、人の話を最後まで聞いてみた方がいいんじゃない?」

「一度、自分にも改善できるところがないか考えてみたら?」

すると男は顔を真っ赤にして怒り出した。

「お前たちも俺が悪いと言うのか。」

「何も知らないくせに偉そうなことを言うな。」

せっかくの助言も、男には責められているようにしか聞こえなかった。


それから月日が流れた。

男の周りからは少しずつ人が離れていった。

誰も注意しなくなった。

誰も助言しなくなった。

男はその様子を見て、

「やっぱり周りにはろくな人間がいない。」

そうつぶやいたという。



他人からの指摘が、いつも正しいとは限らない。

理不尽なこともある。

勘違いもある。


でも、自分に向けられた言葉の中に、ほんの少しでも真実が含まれているかもしれない、と立ち止まって考えることはできる。


そこで初めて、人は変わることができる。


反対に、どんな指摘も

「相手が悪い。」

「自分は悪くない。」

と跳ね返してしまう人は、いつまでたっても同じ場所をぐるぐる回り続ける。


周りが離れていく理由さえ、自分では気づけない。



私自身も、耳の痛いことを言われると、つい言い返したくなることがある。


でも、そんな時ほど

「この人は何を伝えようとしているんだろう。」

と、一度だけ立ち止まれる人でありたい。


聞く耳を持つことは、相手のためではない。


自分を成長させるための、一番大切な力なのだと思う。


体型をワンピースで隠したり、歯並びの悪さを口を閉じて隠したり、メイクで目を大きく見せたり、外見的なことはいくらでも取り繕える。


でも、いくらブログで素敵な人物像や幸せな家族像をアピールしても、その人の内面までは隠せない。


その人の今までの生き方が随所に出てくるから。