美容の大敵カルボニル化とは? | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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人間は歳を重ねるにつれて、見た目が変わっていきます。

シミ、たるみ、シワなどありますが、

 

 

他にも肌の色が黄色く、くすんでくる現象があります。

それを『黄ぐすみ』といいます。

 

 

すると、透明感のある肌から、

なんとなく、くすんだ肌になってしまいます。

 

 

 

『黄ぐすみ』のメカニズム

2017年化粧品メーカーの資生堂が、

黄ぐすみのメカニズムを発見しました。

それが糖化によるものと、

カルボニル化によるものだということがわかりました。

 

 

そのメカニズムは、

皮膚の真皮にあるタンパク質が、過酸化物質によって変性するというもの。

 

 

紫外線、大気汚染などのストレスによって、

活性酸素が過剰に発生。

その活性酸素によって、

糖と脂質が変質することによって起こることを突き止めました。

 

https://corp.shiseido.com/jp/releimg/1808-j.pdf

 

 

『黄ぐすみ』の原因その① 糖化

糖は僕らの身体のメインエネルギー源です。

その糖とタンパク質がくっついて変性することを

糖化といいます。

 

 

糖化はAGEsとも言います。

AGEsとは

Advanced Glycation Endproductsの略で、

(Advanced Glycoxidation End productsという場合もあります)

別名、終末糖化産物とも言います。

 

 

糖とタンパク質が触れ合うことが多いほど、

発生のリスクが高まります。

 

 

また、メイラード反応を起こした食べ物からも、

身体の中に入ります。

この場合、リーキーガットが起こっていると身体の中に入り込みやすくなります。

 

 

 

『黄ぐすみ』の原因その② カルボニル化

一方で僕らの身体は、脂肪もエネルギー源として使います。

その脂肪とタンパク質がくっついて変性することをカルボニル化といいます。

 

 

カルボニル化はALEsとも言います。

ALEsとは

Advanced Lipoxidation Endproductsの略で、

(Advanced Lipid peroxidation End products という場合もあります)

終末脂質過酸化産物とも言います。

 

 

こちらは脂肪とタンパク質が触れ合うことが多いほど、

発生のリスクが高まります。

脂質が外因的、または内因的なストレスでアルデヒド化して、

それがタンパク質を変性させてしまう現象です。

 

 

特に黄ぐすみに関しては、

カルボニル化の方が黄色が濃くなりました。

 

資生堂の発表資料より

 

 

糖化とカルボニル化はどうして起こる?

結論から先に書くと、糖化とカルボニル化は

高血糖の状態が持続することで起こりやすくなります。

 

 

そして、黄ぐすみがひどくなるカルボニル化は、

不飽和脂肪酸が主な原因です。

 

 

高血糖の状態は、糖も脂肪も代謝しにくい細胞の状態です。

糖と脂肪が細胞の中に入りにくくなるため、血中に留まり、

そこで活性酸素などの影響で糖化とカルボニル化は起こります。

 

 

不飽和脂肪酸は、炭素の二重結合があり、

構造的に酸化しやすい油です。

 

 

また脂肪は細胞の構成成分にもなります。

僕らの細胞は主に、タンパク質とリン脂質からできています。

リン脂質は、リンと食べ物からの油と身体の中で作られる油でできています。

このリン脂質が不飽和脂肪酸由来だと、

細胞がカルボニル化しやすい状態になります。

 

 

真皮の細胞が不飽和脂肪酸由来のリン脂質であれば、

高血糖でなくても、外来からのストレスで、

黄ぐすみが起こりやすくなることが想像できます。

 

 

一度、糖化やカルボニル化が起こってしまうと、

非常に代謝しにくいものになってしまいます。

何かを塗るというのは付け焼き刃的な発想で、効果は薄いでしょう。

 

 

ですので、糖化とカルボニル化を起こしにくい身体作りが大切と考えます。

身体の中で糖化とカルボニル化が起こっているということは、

肌でも起こりやすいと考えられます。

 

 

 

糖化とカルボニル化を防ぐには?

糖化とカルボニル化は高血糖で起こりやすくなるので、

油、特に不飽和脂肪酸の摂りすぎに注意が必要です。

 

 

油を摂りすぎると、細胞の代謝が糖から脂肪へ変化します。

脂肪のエネルギー代謝の状態になると、

糖が細胞の中に入れなくなります。(インシュリン抵抗性)

 

 

そのため必然的に高血糖の状態となり、

糖とタンパク質が触れ合う時間が長くなります。

これによって糖化とカルボニル化の両方が起きやすくなります。

ランドルサイクルで説明ができますね。

 

 

不飽和脂肪酸は長鎖脂肪酸が多く、

それを分解して化学反応させ、エネルギーになるまでに時間がかかります。

 

 

長鎖というだけあって、たくさんの元素が結合しているので、

電子の量がとても多くなります。

この電子の量は、ミトコンドリアの電子伝達系に電子の渋滞を引き起こし、

活性酸素を過剰に発生する要因になります。

 

 

また、不飽和脂肪酸が酸化してできたアルデヒドは、

ミトコンドリアの機能と構造を破壊するので、

より代謝がうまくいかない事態を招いてしまいます。

 

 

特にオメガ3とオメガ6の多価不飽和脂肪酸(PUFA:プーファ)は、

酸化しやすいので要注意です。

 

 

ハダカデバネズミというネズミは、ネズミとしては30年も生きます。

ハダカデバネズミの脂肪には、オメガ3 脂肪酸がとても少ないことが知られています。

 

 

 

ミツバチの女王蜂は、働き蜂の10倍以上長生きしますが、

体内のPUFAが少ないことが知られています。

 

 

というように、PUFAの過酸化反応や脂質の組成は、

老化と長寿に大きな影響があることが考えられます。

 

 

また、油を摂りすぎた状態でのデンプン質の過剰摂取

にも注意しましょう。

目安でいえば他の糖質と合わせて、1日に300g〜400gくらいが妥当といえます。

代わりに脂質は目安として1日に50g以内に抑えること。

 

 

デンプン質は、単糖類のブドウ糖がいくつも繋がった形です。

これらをエネルギーにするには、ブドウ糖まで分解しないといけません。

分解してエネルギーにするまで時間がかかるので、

その間は高血糖になるリスクが高まります。

 

 

これらを食べすぎないようにして、

糖化とカルボニル化を起こさないようにするのがポイントです。

まずは身体の中から糖化とカルボニル化を起こさないようにするのが重要です。

そして、ゆっくりと時間をかけて、肌をターンオーバーさせていきます。

また重曹が、AGEsとALEsを作りにくくするのでこれらを飲むのもおすすめです。

 

 

糖化とカルボニル化は、

老化以外では、病気も大きく関わっています。

肌だけではなく、身体の中でもカルボニル化によってシミができます。(リポファッシン)

これが様々な病気に関わっていることが、色んな研究で明らかになっています。

このことは、また別の記事にしたいと思います。