その④はこちら
はじめに僕たちの細胞のお話をします。
僕たちの細胞のエネルギー源は
糖・脂肪(ケトン体)・アミノ酸の3つです。
アミノ酸はその中でも非常用なので、
ここでは糖と脂肪に着目します。
細胞のエネルギー代謝を1から説明すると、ここではとても足りないので、
ここでは代謝のルールから説明します。
細胞には、
糖をエネルギー代謝している時は、脂肪を使えない。
脂肪をエネルギー代謝している時は、糖を使えない。
というルールがあります。
これをランドル効果、またはランドルサイクル、
糖ー脂肪酸サイクルともいいます。
ここはテストに出ますって言いたいくらい、重要です
さて、糖質制限ダイエットにあった、
糖質オフでインスリンというホルモンの分泌をおさえ、
血糖値が上昇することを防ぎ、
糖を脂肪に変換させないこと。
そして糖質オフにすることで、体内の余分な脂肪をエネルギー源として使い、
脂肪を落とすこと。
というところから見ていきます。
まずは、インスリンを分泌させるのはいけないことなのかということ。
甘いものを食べるとインスリンが分泌されますがその主な作用は、
糖を細胞に取り込むことです。
取り込むことによって血糖値が下がります。
次に、血糖値という観点で捉えてみます。
それはその③
でも解説したとおり、
身体には低血糖を防ぐシステムがあることと、その弊害をお伝えしました。
II型糖尿病の人は、血糖値が常に高い状態です。
これは糖がうまく細胞に入れないため、血中に糖がたくさんある状態です。
ランドルサイクルで説明すると脂肪をエネルギー代謝しているから、
糖が細胞に入れない状態とも言い換えることができます。
糖をうまく取り込めないので、インスリンもうまく分泌されません。
ここに先ほどのことを含めて考えてみます。
インスリンの分泌があっても、II型糖尿病のようにずっと高血糖な状態ではなくて、
すぐに下がれば問題がないのでは
という疑問が生まれます。
そして低血糖を防ぐシステムが備わっているなら、
糖と脂肪、どちらがエネルギー源として良いのか
という疑問も生まれます。
脂肪をエネルギー源にするまでには、
複雑な化学反応を経たのちエネルギーになります。
化学式をみても、脂肪は炭素がたくさん並んでいる構造なので、
ケトン体というエネルギーにするには、
その炭素をどんどん切らないといけません。
そして色んな化学反応を起こす必要があります。
なのでエネルギーにするまで時間がかかります。
一方で糖、その中でも単糖のブドウ糖と果糖は、
それ以上分解する必要のない構造ですので、
即効性のエネルギー源になります。
すぐに細胞に取り込まれれば、高血糖な状態は続きません。
これもランドルサイクルで説明できますね
また、カロリー的にも脂肪は糖の4倍ものエネルギー量があります。
ランドルサイクルで脂肪のエネルギー代謝になってると、
エネルギーとして使い切るまでに相当な時間がかかることが想像できます。
実体験からも、脂っぽいものを食べたあとは中々お腹が空かないという経験があります。
脂肪は分子量がとても多いからです。
分子量が多いと、電子の量も多くなります。
僕らの身体がエネルギーを作り出す時、
エネルギー工場のミトコンドリアという共生細胞が、
電子を処理するスピードが間に合わず、電子を渋滞させてしまいます。
結果、細胞の中は電子がいっぱいの還元状態に。
これを還元ストレスといいます。
こうなると細胞がうまくエネルギーを作れなくなるので、病気になるきっかけになります。
次に体内の余分な脂肪を分解して、エネルギー源にするのはどうなのか?
このことは
その④
で解説したとおり、プーファの酸化が大問題でした。
じゃあ、飽和脂肪酸にすればいいのではという声もあるでしょう。
この場合でもランドルサイクルで脂肪代謝になっています。
その時に細胞に入れない糖は血中に留まり、高血糖状態を長く引き起こすほか、
発酵して乳酸に変化します。
乳酸は疲労と関係していますが、
意外と知られていないのが、
ガン患者の体内は乳酸が非常に多い状態になっています。
そしてこの時も、細胞は還元ストレスにある状態です。
なので、プーファであっても、飽和脂肪酸であっても、
高脂肪食は身体にとって良くないということです。
ということで、
僕は糖質制限ダイエットをきっぱりとやめて、
糖をメインのエネルギー源にするのを決めました。
そして改めて思うと、何で糖がいけないのかな思えてきたのです。
つづく