2021年1月16日実施の大学入学共通テスト「国語」の現代文(第1問・第2問)の解説です。

※2021年 共通テスト古文の訳・解説はこちら

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第1問(香川雅信『江戸の妖怪革命』、フィクションとしての妖怪…)

問1 ア(民俗) ③(公序良俗)

   イ(喚起) ①(召喚)

   ウ(援用) ②(救援)

   エ(隔てる)③(隔絶)

   オ(投影) ①(意気投合)
「公序良俗」「喚起」「援用」など、「漢字力」という以上に「語彙力」が試されるのが共通テスト。選択肢の漢字は全て書いてみて、意味の怪しい単語は意味を調べ、例文を作ろう。

問2 ①
傍線部を含む文は「民間伝承としての妖怪とは、そうした存在だった」とあり、指示語の問題である。妖怪の起源を語っている同段落の内容に当てはまるものを。②フィクションとしての妖怪は近世中期以降(第2段落)。③「予測される未来への不安」とあるが、妖怪だと解釈されるのは「予測できないこと」である。④日常的な意味体系の枠外の現象が、妖怪だと解釈される。⑤危機を生み出すのでなく、危機を解決しようとして編み出すのが、この段落の妖怪。

問3 ②
「アルケオロジー」について書いてある7~9段落を読み返そう。①、通常「考古学」と訳されるが、フーコーは別の意味で用いていると明言してある。③~⑤は、③要素ごと、④ある時代の、⑤世界史的、が本文に合わない。

(③9段落によれば、さまざまな事象を同じ世界認識の平面上にあるものにするのがアルケオロジー。

④時代を経てどう変容していくかを考えるのがアルケオロジー。特定の一時代にしぼらない。

⑤今回は、日本の妖怪観の変容について述べるし、世界史とまでいうと大き過ぎる。日本の文化史的変動のなかで考える)

問4 ②
「こうした妖怪の「表象」化」とあり、指示語の問題。11~14段落で描き出された中世→近世の妖怪観の変化を選べばよい。①の「人間を戒める」のは中世の妖怪。③近世の「表象」化はフィクショナルな存在なので、「人間世界に実在する」は変。④はCの次行「帰結」という語で示されている因果順に合っていない。人間の力が及ぶようになったから、妖怪が「表象」化したのである。選択肢は逆。⑤近代になると、妖怪の題材が人間の(内面的)性質になる。

問5 ④/③/④/②
本文の該当箇所とよく照らし合わせよう。

(i)Ⅰが3段落目までを含んでいることから、娯楽だけに注目するのは変なので、④にしぼれる。

(iii)「考察」ということで、原文からの言い換え、踏み込みが想定される空欄だが、明らかに言い過ぎているものを切る。①は2行目の承認の話、③は1行目の会いたいと思っていた人の前に出る話、④は2行目の乗っ取られる話、⑤他人に噂されることに困惑する話が×。

 

 

第2問(『羽織と時計』ほか)

問1 ②/②/①

問2 ③

「心をくすぐる」の辞書的な意味は「人の心を軽く刺激し、そわそわさせたり、いい気持ちにさせたりする」。この傍線部はその受身形であって、①などは合わない。②この羽織を自ら仕立てていないとしても、それはそこまで恥じる必要はない話。

問3 ①
40~44行目をよく読もう。⑤の底意の話は次の意味段落で初めて言及され、しかもW君の奥さんの目ということになっている。この傍線部の答えに選ぶのは早い。

問4 ①
②の「転職後にさほど家計も潤わず」など、本文にない話を切っていこう。③は罪悪感と共によく思い出しているので×(55行目など)。

問5 ⑤
言い過ぎている選択肢を切る。①質素な生活の演出、②妻にまで虚勢、③家族を犠牲にしてまで(時計は会社の同僚皆で出し合ったものである)、④どうにかしてその誤解を解こうとしている、が言い過ぎ。

問6 ④/④
(i)同段落の傍線部より前の部分を読むこと。

(ii)①「W君を信頼できなくなっていく」ことが本小説の主題ではない。②W君の生活の破綻は病気が主因なので×。③本小説は羽織と時計を受け取った主人公の内面にフォーカスしている。

 

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  • これは国語講師・吉田裕子が個人的に作成したもので、出講先の組織的な見解ではありません。

 

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