先月の26日(金)は、市川NHK学園での「もういちど、古典文学」の講座でした。


この日のお題は【一人をめぐっての恋の争い】


まずは、為永春水の『春色梅児誉美(梅ごよみ)』。江戸時代の人情本です。

この作品では、色男の丹次郎をめぐり、複数の女性が登場します。

まずは、米八・お長の直接対決を、いきいきとした原文のセリフで読み味っていただきました。

追われる身となった丹次郎の生活を支えるため、意気と侠気の「辰巳芸者」となった米八。丹次郎の許嫁ということになっている年若のお長に向かってこう言います。

「おや、お長さん。誠にお久しいねえ。大層に美しくおなりだ」

いやー、このキャットファイト。ゾクゾクしますね〜!




『源氏物語』からも、いくつかのケースを取り上げたのですが、「紅葉賀」の巻も取り上げました。

好色な老女の源典侍(げんのないし)と過ごす光源氏のもとに、頭中将がやって来て、わざとふざけて剣まで持ち出す。あの場面は、みんなで笑いましたね〜。

読んでみたいという方は、ぜひこちらからどうぞ。




講座の最後には、会場の市川にちなんで、真間(まま)の手児奈(てこな)のお話を。

概要を確認しつつ、民話のもとになっている『万葉集』の歌を読み味わいました。


手児奈を扱うことを、前回の講座で予告しておいたところ、“手児奈を祀っている弘法寺を訪ねた”という受講者さんが。



さらには、それにちなんだ生菓子を持ってきてくださった方もいました。

その名も、ちもとさんの「手児奈の里」。

ふわふわで美味しかったです!


 

市川NHK学園の場合、直接お目にかかれるのは隔週で、1回2時間ですが、こんな風に、講座の時間だけでなく、それ以外の時間、生活の中でも古典の世界と親しんでいただけるのは嬉しいですね。


毎回いろいろな作品を取り上げておりますが、興味を持った部分を膨らませていただけたら嬉しいなぁ、と思います。



吉田裕子の古典の本


 

吉田裕子担当の連続講座(カルチャースクール)

単発参加も可能な吉田裕子主宰の講座

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