慶應義塾大学 文学部 2019年 小論文の設問A(要約)の解答例です。


メリトクラシーの基準が多様であることを前提すると、メリトクラシーが進展しているか否かという議論はできなくなる。代わりに、能力を評価する基準は文脈依存的で、この社会的文脈こそが能力の定義を事後的に作り出してしまう点に注目する。ローゼンハイムによる、昇進構造のトーナメントモデルはこれに当てはまる。ある段階で競争に敗れた場合、それ以降、競争に参加する機会が失われ、その後どれだけ能力を開花させても評価してもらえない。ある段階で敗れた時点で、能力が値踏みされてしまうのだ。このモデルがよく当てはまるのが、日本の学歴主義である。学歴獲得過程が開かれ、測定手続きに説得力があるため、日本では、学歴主義がメリトクラシーの基準として広く受け入れられている。いったん勝ち上がった者は、真の能力以上に評価をされる利得増幅効果も伴う。(357字)


 

※これは国語講師・吉田裕子が個人的に作成したもので、出講先の組織的な見解ではありません。

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