東京大学入試国語 2019年の記述問題解答例です。

文理共通第一問(中屋敷均「科学と非科学のはざまで」「カオスの縁」という……)

(一)分子の在り方では無秩序化するか反応に乏しいかの両極どちらかが自然界の普通なのに、秩序を生みつつ変化する生物は中間の特殊現象であること。
(二)生命は、秩序ある静的世界と無秩序な動的世界のはざまの環境下、多様な偶発的条件を受けて変化しつつ形を成して生き、進化する存在であること。
(三)混沌とした世界に、科学で秩序を発見することは、予測を可能にし、未知の現象への恐怖を取り除き、正しい対処を導くので、人類に有益なこと。
(四)人間は、秩序と無秩序の中間で変化しつつ形を成して生きる生物の一種だが、精神の面でも、混沌とした世界に科学で秩序を与える一方、完全に予測の効く単調な世界とはせず、その中間の未知や不確定が残る世界で各人が知的役割を有し、個性的営為を営むこと。(119字)
(五)貢献 代替 細菌



文理共通第二問(闌更『誹諧世説』「嵐雪が妻、猫を愛する説」) ※(三)は文系のみ
 

(一) ア 煩わしいと思う人もいるだろうと
  イ 限度をわきまえる必要があることだ
  カ 露見した以上はどうしようもなく
(二)猫が行くはずのない場所までも、嵐雪の妻は猫を探したが
(三)自分が知らせたのは伏せて、何町の何さんに使いを出し、猫を取り返せ。
(四)自分が猫をよそに預けたのに、猫は妻を探しに出て行方不明と言った。
(五)人間より良い敷物・器・食物を用意し、忌日にも魚を与える過剰な愛し様。

 

※現代語訳の記事はこちら。

 



文理共通第三問(黄宗羲『明夷待訪録』学校は士を養ふ所以なり……) ※(三)は文系のみ

 

(一)a ただこれだけではない。 d 民間 e 関わることがない
(二)決して自分で物事の是非を判断しようとしなかった。
(三)朝廷の権勢や利権が、政策の是非を進言する学校の本領を歪めたこと。
(四)学校が、政策の是非を為政者に示す役割に加え、優秀な人材を育てるという役割までも失ったから。

文系第四問(是枝裕和「ヌガー」迷い子になった……)

 

(一)母とはぐれた上、独力で帰れない所まで来た失敗で動揺した態度を示しているのに、周囲の大人が無関心なので、孤独感が恐怖を募らせたこと。
(二)庇護者の母と断絶し、無関心な世界での孤立に怯えていたが、ヌガーの美味しさに集中する中で自然と母が浮かび、母との絆を再認識できたから。
(三)本来、自分に無関心な世界と孤独に対峙する困難は成長過程で徐々に経験する。迷い子はそれを突然強制的に体験させられる衝撃であること。
(四)子供の頃は絶対の庇護者だった母も、孤独に生きる大人になると頼れない。その事実は切ないが、泣いても世間は無関心なのも知っているから。
 

 

※これは国語講師・吉田裕子が個人的に作成したもので、出講先の組織的な見解ではありません。

 

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