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毎月恒例の吉祥寺 古典を読む会、6月は、18日(日)に後深草院二条『とはずがたり』を取り上げました。

 

 

この『とはずがたり』、前半と後半に分かれるんですが、その前半ではめくるめく恋のドラマが繰り広げられています。研究書でも「愛欲編」と名付けている本があるほどですびっくり

 

その恋のドラマは、瀬戸内晴美時代の寂聴先生も小説になさっています。

 

 

 

ちょっとあらすじをご紹介しましょう。

 

 

第1巻:二条は2歳の時に母を亡くし、4歳からは「後深草院」のもとで育てられる。14歳のとき、他に想い人「雪の曙」がいるにも関わらず、後深草院の愛人の一人にさせられる。院の子を懐妊、程なく父が死去する中、皇子を産む。父という後ろ楯を亡くし、心細い状態の中、妻というよりは女房という立場で院に仕え続けるが、雪の曙との関係も続いている。雪の曙の女児を妊娠し、極秘のうちに出産するが、雪の曙に託し、その後その子と再会することはなかった。ほぼ同じ頃、院との子が幼くして死んでしまう。


第2巻:僧侶で、後深草院の弟と見られる「有明の月」に迫られ、関係を持ってしまう。さらには「近衛大殿」とも心ならずも契ってしまう。(第2巻、第3巻にかけての期間に、後深草院の弟で、後深草院の次の天皇となり、対立関係にあった「亀山院」とも関係があったと見られる。)


第3巻:有明の月との関係が、後深草院に露呈してしまう。後深草院は激怒するわけでもなく、有明の月の男児を産んだときには、後深草院の世話のもとで、よそへやることとなった。有明の月が亡くなるが、彼は亡くなる間際まで彼女への愛を語っていた。彼との生前の交わりから、有明の月の2人目の男児を産む。今回は自らも世話をする。急遽、後深草院や正妻 東二条院の不興を買い、御所を退出せねばならなくなる。



第4巻:御所退出後、尼となったのちの日々を綴る。西行のように、全国をさすらう修行の旅へ出る。熱田神宮から、鎌倉、善光寺、浅草。石清水八幡宮で後深草法皇に再会。伊勢へ。


第5巻:厳島へ。東二条院(後深草院の中宮)と後深草法皇の死を悼み、死後の供養をする。
 

 

……なかなか衝撃的なお話ですよね。
 

ご参加の皆様からも、

 

  • こんな古典があったのだとびっくりしました。二条という女性はなぜこのような文章を書き残したのかと考えさせられます。
  • リアル若紫であり、浮舟であり、女西行である、こんな女性の存在を初めて知りました。この当時にしては強い意志を持って人生を生き抜いた、魅力的な女性だと思います。

 

などというご感想を頂戴しました。

 

 

私にとって、そうした複雑な恋愛関係と並んで、忘れられないのが、後深草院の死を知った場面です。

 

衝撃を受けた彼女は、何とか棺を見ることができないか、つてを頼って訪ねていきますが、断られます。御所で一日中たたずんでいますが、その希望は叶いません。

 

そしていよいよ、棺が運び出されるというとき、彼女は、裸足になることも厭わず走って駆けつけるのです。

 

 

事なりぬとて御車の寄りしに、慌てて、履きたりし物もいづ方へか行きぬらん、裸足にて走り下りたるままにて参りしほどに……

葬列を追いかけるのですが、女の足ですし、裸足で足を痛めますし、取り残されてしまいます。それでも追い続けた先に彼女が見たのは、火葬の煙でした。

 

空しく帰らんことの悲しさに、泣く泣く一人なほ参るほどに、夜の明けし程にや、事果てて、空しき煙の末ばかりを見参らせし心の中、今まで世に永らふるべしとや思ひけん。

後深草院に随分翻弄された人生だったのですが、それでも最後は、辛くて辛くて堪らないのです。火葬の煙を見て、その後生きていられなさそうな心地がしたというのです。他の人には理解しがたい、後深草院と彼女とのかけがえのない人間関係がそこにあったのでしょう。

 

 

 

こんな彼女の人生は、あの『逃げ恥』の海野つなみ先生も、ご自身なりの解釈を加えてマンガ化していらっしゃいます。ご興味のある方はぜひ照れ

 

 

 

さて、次回定例会は、人気の『源氏物語』です。

 

7/30(日)14時~
『源氏物語』「若菜下」女三の宮と柏木の密通に激怒する光源氏

 

この日は4周年記念の懇親会も行う予定です(任意参加、事前申し出不要)。17-19時ごろ、参加費2,000円程度の気軽な会です。そちらも含め、ぜひお運びくださいませ。

 

 

また、吉祥寺 古典を読む会、2017年版の年報も、原稿を募集開始しております。

 

こちらは、1年間の活動のまとめを載せる冊子なのですが、会員エッセイも掲載しています。一度でも会にいらしたことがある方なら、どなたでもご応募いただけます。今年のテーマは「古典で味わう“悲しみ”」です。好きな作品、印象に残っている登場人物など、自由にお書きください。

 

字数は200字~無制限。提出〆切は8月27日(日)です。サークル年報という性質上、謝礼金はありませんが、完成した年報を無料で差し上げます。


  ※応募されたい方はこちらからご応募ください。
  ※過去の年報はこちらで販売しております。

 

 

この、吉祥寺 古典を読む会も、各種カルチャースクールの講座も、気軽に、でも豊かに楽しんでいただけるよう、工夫して準備してまいりますので、ぜひどうぞお越しくださいませ。

 

 

 

赤薔薇 カルチャースクールでの吉田 講演予定 赤薔薇

 

ピンク薔薇第2・第4金曜13:15-15:15(次回7/14『万葉集』)

NHK学園市川オープンスクール「もういちど、古典文学」

 

ピンク薔薇2017年7月1日(土)10:30-12:30

和の心「『平家物語』源平の男たちの愛した白拍子たち〜祇王、千手、静御前〜」

※Facebookをお使いでない方はこちらからお知らせくださいませ。

 

ピンク薔薇第4木曜10:30-12:30(8/24(木)お得な体験会『源氏物語』からの開講)

JEUGIAカルチャーセンター ららぽーと富士見