古典愛読サークル【 吉祥寺 古典を読む会 】、4月の定例会が近付いてまいりました。

今回のテーマは、「さすらいの歌人 西行ののびやかな和歌」

西行 魂の旅路 ビギナーズ・クラシックス日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシ.../角川学芸出版


西行は、八番目の勅撰和歌集『新古今和歌集』に94首も入集(入集数第1位)した、平安時代末期の歌人です。

私が興味深いと思っているのが、西行は『新古今和歌集』に最も多く撰ばれている歌人でありながら、その詠歌は必ずしも、『新古今和歌集』の歌風と一致しているわけではないところです。

定家ら選者たちは、実体験で歌を詠むのではなく、題詠が中心。本歌取りなど、複雑に工夫された技巧的で、象徴的な和歌が見られます。西行にも題詠の歌はありますが、吉野の桜などを詠むにしても、実際に目にした感動から歌を作っている歌が多くあります。そうした歌の多くは、平明で、現代の私たちにもすっと理解できるものが多いのです。

そうした特徴から、後鳥羽院は、

「西行はおもしろくてしかも心ことに深く、ありがたく出できがたきかたもともにあひかねて見ゆ。生得の歌人と覚ゆ。おぼろげの人、まねびなどすべき歌にあらず。不可説の上手なり」『後鳥羽院御口伝』

と評しています。

若くして出家し、諸国を行脚したという劇的な人生から、『撰集抄』『西行物語』など、多くの説話や伝説が生まれました。能にも『江口』『西行桜』『遊行柳』があり、長唄にも『時雨西行』があります。「富士見西行」という画題も広く親しまれました。芭蕉の『おくのほそ道』などの旅にも、西行が大きな影響を与えています。

そんな西行について、『山家集』の和歌や『雨月物語』のエピソードを取り上げながら、親しんでいきたいと思います。


2016年4月17日(日) 14時~@武蔵野商工会議所
「さすらいの歌人 西行の伸びやかな和歌」
参加費400円


普段は御殿山コミュニティセンターで開催しているのですが、その日は施設が借りられなかったので、武蔵野商工会議所東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目10-7)での開催です。お間違いなきようお気を付けください。


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なお、5月以降の予定は以下の通りです。毎回異なる作品を取り上げておりますので、気になる作品の回だけ参加するのもアリ、続けて参加して作品との出会いを楽しむのもアリでございます

  • 5/29(日)14時~  悲劇のヒーロー像はここから『義経記』
  • 6/19(日)14時~  『源氏物語』「蛍」など 見出された姫 玉鬘の物語
  • 7/31(日)14時~ 『大鏡』 手段を選ばぬ豪胆な政治家 兼家
  • 8/28(日)14時~ 『雨月物語』 『走れメロス』を思わせる友情譚
  • 9/25(日)14時~ 歌徳説話 巧みな歌のエピソード
  • 10/30(日)14時~ 世阿弥『風姿花伝』 能の理論書であり、人生指南書
  • 11/27(日)14時~  『忠臣蔵』の史実と文学
  • 12/18(日)14時~  『源氏物語』「御法」「幻」 紫上の最期

ご興味のある方は、吉田裕子ホームページよりお申し込みくださいませ。