今昔物語集 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)/角川書店


吉祥寺 古典を読む会、今月は『今昔物語集』を読みました。


『今昔物語集』は、おそらく平安時代の後期、いわゆる院政期に編まれたと見られる説話集。

「《古典》と聞くと、『源氏物語』などのみやびな世界が思い浮かぶ」という人にとっては、下卑た内容もためらいなく記す『今昔物語集』は、衝撃の連続なのではないかと存じます。

これは、好きか嫌いかがはっきり分かれる作品でしょうね……。


ちなみに、この作品を好んで、「brutality(野生)の美しさがある」と評したのが、芥川龍之介です。「なまなましさ(彼の表記は「生ま々々しさ」)」を『今昔物語集』の藝術的生命と捉え、面白がったのです。

「彼等の心理は陰影に乏しい原色ばかり並べている。しかし今日の僕等の心理にも如何に彼等の心理の中に響き合う色を持っているであろう」などと述べています。


今回の定例会では、前半で、『今昔物語集』ならではの魅力を感じられるよう幾つかの説話をご紹介し、後半では、芥川龍之介の『羅生門』『鼻』と元になった説話を読み比べました。

今回初めて『今昔物語集』の世界を知った、という声を多数いただいて、やって良かったなぁ、と思っておりますニコニコ


ご感想を少しご紹介しますね合格



今日はよく笑いました。『羅生門』も『鼻』も、私は芥川のものよりも、『今昔物語集』のものの方が好きです。ご紹介いただいた山口仲美氏の本を読んでみようかと思います。


先生の大胆な説明が面白かった。人間、今も昔も変わらないところがおもしろかった。


今回受講して芥川の小説を是非読んでみようと思いました。とても先生の朗読に引き込まれました。また楽しみにしております。


『今昔物語』の中身を初めて知りました。古典の会に参加していなければ、永久に知らなかったと思います。人間は今も昔も本質は変わらないものだと思いました。


週刊文春的今昔物語は、先生の話される面白さで、あっという間の二時間でした。


短編で読みやすく、クスクス笑える内容が多いんだと新しい発見になりました。今昔物語の中での羅生門の短さに驚きました。高校で読んだとき、自分で本を買って読んだとき、そして今日読んだとき、確実に感じ方・面白さが違いました。



皆さまご参加ありがとうございました。

さて、古典愛好サークル 吉祥寺 古典を読む会は、いつでも気軽にいらしていただける会です。(参加費は、各回200円。会場は吉祥寺駅徒歩6分。) 

10月・11月はこのような内容で開催する予定ですので、ご興味がおありでしたら、お気軽にお運びください。





・2015年10月18日(日)14:00~16:15◆御殿山コミュニティセンター
《垣間見から始まる恋 ~『源氏物語』(宇治十帖)~》

光源氏の子ども世代が中心となる『源氏物語』第三部。
その主人公の一人、光源氏の男児とされる薫は、実は、女三の宮と柏木の不義の子です。
自身の出生に疑念を持ち、厭世的に過ごしてきた彼は、
八の宮の娘たちを垣間見て、恋に目覚めます。


・2015年11月15日(日)14:00~16:15◆御殿山コミュニティセンター
《島流し、一人許されず……『俊寛』『平家女護島』》

鹿ケ谷で平家打倒の陰謀を企てたとして、鬼界が島に流された藤原成経、平康頼、そして俊寛。その後、恩赦が出るものの、許されたのは二人だけ。
一人取り残された俊寛の様子を描いた古典作品が多数あります。
軍記物語、能、浄瑠璃、芥川らの近代小説を読み比べましょう。





詳しくは、吉祥寺 古典を読む会の案内ページをご覧くださいませ。



★お問い合わせやご依頼はホームページまで。6/17(水)、新刊『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)が発売です。

★これまでの著書…『美しい女性(ひと)をつくる 言葉のお作法』(かんき出版)、『頭をよくする整理のしかた』、『人生が変わる読書術』、『正しい日本語の使い方』、『大人の文章術』、『源氏物語を知りたい』、『東大生の超勉強法』(枻出版社)など。産業能率大学総合研究所の通信講座『文章力を磨く』のテキストも執筆いたしました。

都内の大学受験塾に勤務する他、NHK学園 市川オープンスクール産経学園 新百合ヶ丘校で古典入門講座を担当しています。また、月1回開催の古典サークル「吉祥寺 古典を読む会」も主宰しております。