「うちで教えてよ!」と言われたい。突き抜けた国語教師を目指す社会人大学生ヨシダユウコの貪欲日記

■2003年創刊、読者数約12万人のメルマガ「スーパー広報術」に連載している
【吉田裕子の「想いの伝わる教育広報事例」】 より



大学や高校・中学、NPOなど、
企業以上に広報の占める役割が大きい「教育機関」に注目し、
事例を取り上げながら、
「自分たちの想いが伝わり、長期的なファンが増える広報」
のポイントを探っていく連載の第3回です。


先月、飲食店の人気ランキングサイト「食べログ」が話題になりました。
飲食店から報酬を受け取って、好意的な口コミを投稿する
「やらせ業者」の存在が明らかになったのです。

宣伝であることを隠し、第三者としての客観的立場を装ってアピール。
こうした手法は、ステルスマーケティング(ステマ)と呼ばれます。

これが消費者に誤認を与える恐れがあると言うことで、
論争が起こりましたDASH!



さてさて。

広報や広告を担当している人の中には、
食べログにやらせがあったということよりも、
今回の1件がこれほど大々的にマスコミに報じられたということの方に
驚いた方も多かったのではないでしょうか。

…と言うのも、
こうした「やらせ」は、
いたるところで日常的に行われているものだからですあせる

過去マクドナルドでも、
新メニュー「クォーターパウンダー」の発売時、
話題作りのために
アルバイトを雇って行列を作らせていたことが発覚しています。


この連載で注目している、学校や塾の広報でも、
残念ながら「やらせ」は存在しています。

その最たるものが「合格実績」です。

学校や塾の選択に悩む生徒・保護者が
まず注目するのは合格実績ですが、
残念なことに、一部の学校や塾は「やらせ」を行っています。
(2007年に、合格者水増し問題が大きく報じられてからも、
 抜本的な解決は図られていません。)


近年、私立大学において、
個別試験を受けなくても、
センター試験の結果によって
合否を判定してくれるタイプの入試が普及したことも、
合格者の水増しに拍車をかけていると思われます。

実際、私の教え子にも、学校から頼まれて、
明治大・中央大・法政大など
延べ10校分を学校負担で受験した生徒がいます。



さらに、塾については、事例に事欠きません。


1回でも模擬試験を受けていればカウントする塾。

無料自習室を利用しているだけでカウントする塾。


中には、提携した塾と合算した数で実績を公表したために
非難が集中して、後から実績の大幅下方修正を余儀なくされた塾

というのもあります。


このような「やらせ」に振り回されないためには、
消費者側も、教育方法や教師の質などをきちんとチェックし、
結果との因果関係を確認するようにしなくてはなりません。

安易に合格実績の数字だけに飛びついてはいけないのです。


逆に言えば、「やらせ」で集まってくるのは、
結果だけを見て安直に飛びついた人達です。


言葉を選ばずに言えば、質の悪い顧客です。

彼らは納得の行く結果が出そうになければ、
モンスタークレーマーと化したり、やめたりします。


飲食店やエステでも同じです。

「やらせ」口コミを見て来た顧客は、
実質が伴っていなければ二度と来ることはないでしょうし、
むしろ、期待外れの店として
不満の口コミを流す可能性が高い、と考えられます。

そのマイナスの口コミをかき消すために、
またやらせを行えば、
どんどん悪循環に陥っていきます。


何よりも、「やらせ」は
そこで働く人達の誇りを傷付けます。


「どうせ、でっち上げれば良いのだから」
と、向上心も失われてしまいます。

そうすると、より実態が荒れ、
この意味でも悪循環に
はまり込んでしまうことでしょう。


★★ まとめ ★★

1.広報・広告では「やらせ」は珍しくないが、
  消費者はそれを徹底拒否する。

2.「やらせ」に飛びついてくる顧客は、
  一回きりの客、質の低い客。

3.「やらせ」が恒常化すると、
  スタッフの誇りや向上心も失われる。