映画【百万円と苦虫女】を観ました。



蒼井優ちゃんが主演で、
【さくらん】の脚本を担当していたタナダユキさんが監督です。




 短大を卒業したものの就職浪人、
 ひょんなことから前科者になってしまった鈴子は、
 過去や家族を離れ、
 縁もゆかりもない土地へ旅立ちます。

 100万円貯まったら次の土地へ引っ越す、と決めて、
 周囲の人とも深く関ろうとせずに、
 淡々とアルバイト生活を送るのです…





この設定を聞いて、思い出したのは、
浜崎あゆみの1stアルバムの【POWDER SNOW】という曲。


"もう一人きりにしておいて欲しいの
誰も私を知らぬ場所へ逃げたいの

そんなこと間違っていると責められようと
これ以上
心がもうもたない 明日はいらないの"


という歌詞なんです。









さてさて。


表題の"苦虫女"というのは、
嫌なこともはっきり嫌と言わず、
愛想笑いをして我慢している鈴子の、
"苦虫をかみつぶしたような顔"
を指す言葉です。


相手との関係を大切に保ちたくて、
それだからこそ、
我慢していたつもりだったのに…

"いつの間にか
何も言えない関係になってしまうのは
不幸なことです"


この鈴子のモノローグが、
映画中で一番印象に残った言葉でした。





そして、
エピソードとして印象的だったのは、
弟・拓也くんの話と、
彼氏・中島くんの話。


鈴子のことが大好きな中島くんは、
鈴子は百万円貯まったら出ていってしまうんじゃないかと考え、
何かと理由をつけて、
鈴子に借金をしたりおごらせたりするんです。

…で、
結局、
中島くんはお金目当てで自分と付き合っているんだと誤解した鈴子は、
別れを告げて街をでていくんです。

中島くんは真意を伝えたくて鈴子を追いかけるんですが、
すれ違って会えず。。。

携帯電話も持たない鈴子なので、
永久に誤解はとけないまま、、、なんですよね。



鈴子は、次の街での再出発を決意してスッキリした気持ちでいるので、
"追ってくるわけないか"
と軽く呟くと、
実に晴れやかな顔で歩き出すんですが…

中島くんはたまらないですよね。。。



過去を捨てて再出発することの可否や是非はさておき、
再出発を決意した人の周囲にいた人々、つまりは、
"過去"とされ、取り残されてしまう人々の心情とについて、
もやもやと考えてしまいました。

私自身、再出発が好きなタチなんですけど、
知らない内に、たくさんの人を傷付けていたんじゃないか、とか。。。









中島くんは、前科者だという鈴子の過去を聞いても、
好きだと言ってくれた人でした。


鈴子が、そんな彼に、あと数ミリ歩み寄って、
お金をせびる理由を丁寧に聞くことができていたら…

という気がしてなりません(ノд<。)゜。



もちろん、中島くんの側にも、
"傷付くのが恐くてはっきりとは言い出せない。
ごまかしていれば、
グダグダなまま関係を続けられるんじゃないか"
と、一歩踏み込むことを恐がる気持ちがあって。

それを乗り越えなかったがゆえに、
もっともっと傷付いてしまった訳で。。。




"いつの間にか
何も言えない関係になってしまうのは
不幸なことです"





■□■ キャスト ■□■
フリーター・佐藤鈴子(主人公):蒼井優

■1.1 鈴子の実家の周辺(東京)
鈴子の父:矢島健一
鈴子の母:キムラ緑子
鈴子の弟・佐藤拓也:齋藤隆成
バイト仲間・リコ:平岩紙
拓也の担任:江口のりこ
リコの彼氏・ルームメイト?・浜田武:弓削智久
刑務官:嶋田久作
刑事:モロ師岡
真吾:鈴木達也
ささの堅太
矢嶋俊作(声)

■1.2 海辺の町
海の家の主人:斎藤歩
海の家でナンパする男・ユウキ:竹財輝之助
辻本祐樹
小柳心

■1.3 山あいの村
桃農家の絹さん:佐々木すみ江
桃農家の長男・藤井春夫:ピエール瀧
村長:石田太郎
喫茶店のマスター:笹野高史
村民:青木和代

■1.4 ある地方都市
大学生・中島亮平:森山未來
仕事場(植物店)の新入り:悠城早矢 
仕事先(植物店)の主任:堀部圭亮
松嶋亮太
山本剛史
山中崇
中村靖日

■□■ 主題歌 ■□■
原田郁子(クラムボン)「やわらかくて きもちいい風」