祇園の教訓―昇る人、昇りきらずに終わる人/岩崎 峰子

を読みました。

京都でももっとも華やかな祗園甲部の舞妓・芸妓として、
長年売上NO.1であり続けた峰子さんは、
京セラの稲盛和夫さんや、
ホンダの本田宗一郎、
ノーベル賞受賞者の湯川秀樹さんなど、
一流の人達を、
お座敷で楽しませてきた人です。


まず、本の前半には、
一流の方々と接する中で、
彼女が実感してきた、
「素敵な人とはどういう人か」ということ
が綴られています。

たとえば、
・部下やお店の下働きの人まで、
 すべての人に等しく誠実に接する
・信用を大切にし、
 感謝している・大切に思っているという気持ちを
 表現するのに使うお金にはセコセコしない

といったことは、
別に、大社長でも何でもない私達にも通じる、
大切な姿勢ですよね(*´∇`*)



そして、本の後半には、
彼らを喜ばせるために、
接客のプロとして心がけてきたことが、
実際の京ことばでの会話を織り交ぜながら、
活き活きと描写されています(*´∇`*)

通底しているのは、
”自立した職業婦人としての
仕事へのプライド”
でした。

その強い誇りゆえに、
一方では、
閉鎖的で保守的な祗園内部の改革を試み、
また一方では、
世間が花柳界を淫靡なものだと誤解しているのを改めるために、
舞妓・芸姑の生活を綴った本を、
英語をはじめ13か国語で出版し、
各国で舞を交えた講演会
を開いた峰子さん。

これは、彼女のパワフルさが、
滲み伝わってくる本でもあります。