起動戦士ガンダム
Absolute Knight
     Epsode 5
  「UNGOD」



ーノウズ島海上。

《来い…始末してやる…》
ニムとアークの2機が
サーガの機体へと向かっていく。
《お手並み拝見といこうか…》
サーガが爪を構え、
ニム機に飛びかかる。
「その程度の機動力で
捉えられるとでも思ったか!」
それをかわし
サーガ機の背後をとる。
「兄貴、こっちはいつでも行ける!」
同時にアーク機もアローモードを構え
サーガ機をロックオンする。
「構わず打て!俺なら避けられる!」
「…了解ッ!」
ニム機がビームサーベルで
背後から斬りかかると同時に
アーク機がビームを放つ。
《良い連携だ…だが甘い…》
サーガ機が肘からサーベル刃を発生させ
背を向けたままニム機の斬撃を受ける、
そして右手からビームを放ち
アーク機からのビームを中和する。
「これを受けきるだと⁈」
「クソ…やっぱこいつ強えな…」
《笑止…我を侮っているのか…?
今度はこちらの番だ…》
サーガ機は回し蹴りでニム機を弾き飛ばし
アーク機へと斬りかかる。
それをファトュムの防御形態で防ぎ
蹴りでカウンターをするが
サーガ機に受け止められる。
《小僧…いいセンスだ…》
「あれから大分特訓したからなぁッ!」
《…ならこれは受け切れるか?》
サーガ機が左手の爪で斬りかかる。
「させるかッ!」
Hカレトヴルッフを装備したニム機が
すかさず援護に入り
つば競り合いになる。
「今だ!アーク!」
「分かってらぁッ!」
アーク機がロングソードで斬りかかり
サーガ機の左手にヒットする。
しかし装甲が厚く傷はかなり浅かった。
「ダメだ!思ったより硬いぞ!」
「やはり重装甲か…⁈」
《貴様等…我の機体に傷を付けたな…?》
その刹那、
サーガ機の金色の装甲から
力場が発生し、
その圧力で2機が勢いよく弾かれる。
《…まずは傷を付けた貴様からだ。》
サーガ機がニム機を更に弾き飛ばし
その後、高速でアーク機へ接近、
左手の爪でその腕を掴む。
ギシギシと鈍い音を立てながら
腕がだんだんと潰れていく。
そしてアーク機の必死の抵抗も虚しく
腕を引きちぎられる。
「クソッ、こいつッ」
《さぁ…もう一本も頂こうか…》
「2度もやらせるかッ!」
再び抵抗するも
尋常でない力の前になす術もなく、
ニム機が体勢を整えた頃には
もうアーク機の両腕は無かった。
「…アークッ!大丈夫かッ⁈」
「悪りぃ兄貴…腕を持ってかれた…」
ニムからの通信で
アーク機が動きを止めた瞬間、
サーガ機が背後からコックピットを目掛けて
サーベルを突きつけようとする。
「馬鹿ッ!後ろだッ!」
「なッ⁈いつの間にッ⁈」
まさにサーベルが刺さりそうになった瞬間、
ノウズ島から巨大なビームが放たれる。
間一髪の距離でサーベルが止まり
サーガ機がビームを避ける。
《…雑魚が一匹増えたか…。》
そのビームの発生源には
進化を遂げたガンダムアイリスがいた。
「…ヴェガ ロアディーノ、
ガンダム アイリス フルウェアード
行きますっ!」
{0EFC05E6-6CC5-47AF-82EB-58E05DCE1290:01}
その姿は模擬戦の時とは大きく異なり
肩と足に実体剣を追加装備していた。
《…あれはROYAL ARMY次期隊長機、
…グルーブガンダム⁈
その機体何処で手に入れた⁈》
「研修生に紛れ込んで
研究所からデータを頂いたの。
神様なのに分からない事もあるのね。
あと、名前はアイリスだし
そっちの隊長機なんかよりも
遥かに強いからっ!」
《…なるほど。
勝手に改造した挙句に命名までしおって…
益々始末しなくてはな…》
「来るぞ!
アークはファトュムで援護を!
ヴェガは俺と共に接近戦だ!」
「「了解!」」
ヴェガ機は槍を構え、
サーガ機に突進していく。
同時にニム機は
ハイパービームソードを構え
ヴェガに合わせて突進していく。
《…芸の無い奴らだ…》
サーガ機は2機から距離をとるように
距離を取りつつビームで牽制をする。
「こんなものっ!」
「それで牽制のつもりかッ!」
ビームを避けつつ2機が次第に近づく。
そして2機の斬撃が同時に
サーガ機へ降りかかる。
サーガ機は再び力場を発生させ
ニム機が弾き飛ばされる。
「この程度の力でっ!」
第4世代のヴェガ機は力場の圧力に耐え
ランスで斬りかかる。
{30F4AD73-77EE-4E28-B2CB-1A8882F9732E:01}
そして力場が消えたサーガ機が
左手のサーベルで対抗し
つば競り合いになる。
ニム機はすかさず背後から斬りかかる。
サーガ機はサーベル刃を消し
ヴェガ機がよろめく。
ニム機は衝突を予測し
距離をとりすぐに援護できる体勢をとる。
《単純な奴め…斬り殺してくれるわ…》
サーガ機が爪を構える。
「その戦法、私の得意分野なのよね。」
ヴェガ機がよろめきを利用し
サーガ機の爪撃を受け流す。
そして背部に新たに装備された
長射程ビームキャノンを瞬時に構え、
足の関節に向け、それを放つ。
ビームは至近距離で左足に直撃した。
「やった⁈」
「ヴェガ、よくやった!」
「煙のせいでダメージが
どれくらいか分からない!」
「少し距離をとるぞ!」
2機が離れていく。
数秒後、黒煙の中に金色の光が現れる。
《…貴様も…貴様も…
全て堕としてくれるわ!…》
黒煙が晴れてサーガ機が露わになる。
左足の関節からは火花が出ていた。
「よし!これで左足は使えないわ!」
「機動力も落ちるな…
ヴェガ、アーク!あれをやるぞ!」
「「了解!」」
3機が攻撃体勢に入り
ニム機とヴェガ機が
サーガ機に突進していく。
「散開!
ヴェガは後ろから奴を切れ!
アークはファトュムを飛行形態へ!
左右から突撃させろ!」
「「了解っ!」」
《ほう…四方を塞いだか…》
2機の斬撃とファトュムがサーガ機へ迫る。
《…だが甘い…。》
サーガ機は上空へ高く飛び上がり
全ての攻撃を避ける。
「計算通りだな…
ヴェガ!パワーサプリィだ!」
「了解っ!受け取って!」
ヴェガ機がニム機のクリスタルに触れる。
その瞬間、
クリスタルが紅く輝き始める。
「サーガ…これで終わりだ!」
ニム機がバスターライフルを構え、
背部の羽が全て解放される。
そしてクリスタルが
紅色から金色へと変わり、
超質量のビームが
上空のサーガ機へと放たれる。
{1BBC0F6A-94A0-4C28-94BD-5F581E2E6C26:01}
《…なんだ⁈この質量は…⁈》
それはサーガとの初戦で発生させた光の柱を
遥かに超える質量のビームだった。
「兄貴!俺も加勢する!」
アーク機のファトュムも
射撃形態に変形し大質量のビームを放つ。
「あまりパワー残ってないけど
私も加勢するわ!」
ヴェガ機からも
ビームライフルを最大出力で放つ。
光の柱はとてつもない大きさになり
あたりは光に包まれる。
《…この力…貴様等何者だ⁈》

ー「我々は神に抗いし者。
            UNGODだ!」

《…認めん、神に逆らうなど…!
ぐわぁぁぁぁぁ…》


ー光が消え、
上空には黒煙のみが残り、
海面には溶解したサーガ機の残骸が
漂っていた。
「やった…やったぞ!兄貴!」
「ニム!やったよ!
あの神獅を私達が倒したんだよ!」
「あぁ…ありがとう。
これは3人の力が
合わさってこその勝利だ。」

ー3機は帰投し、
格納庫内で喜びに浸っていた。
「よし!
これで危機は去ったわね!
ほんといきなり来た時は
どうなるかと思ったよ…。」
ヴェガがにっこりと笑った。
「今日はみんなでお祝いよ!
私がごはん作ってあげる!」
「ヴェガ姉さん料理できんのか⁈」
「こらアーク!
私を誰だと思ってるの⁈」
ヴェガがアークの額を小突く。
「イテ!
だって料理やるイメージ無いし!
ヴェガ姉さん来て3か月経つけど
まだ作業の休憩ん時に
作ってくれた軽食しか食ってねぇぞ!」
「なら私の本気、見せてあげる!」
「アーク、言っておくが
ヴェガの料理はかなり美味いぞ。」
「マジで⁈
じゃあ期待して待ってるわ!」
「任せなさいっ!」



ー続く。
起動戦士ガンダム
Absolute Knight
     Epsode 4
     「神獅」



ーニムとヴェガの模擬戦の2ヶ月前…
ノウズ島格納庫。

ニムとヴェガは
ガンダム アイリスの開発作業を一旦休止して
格納庫内の机に座っていた。
そして、
ニムが真剣な面持ちで
Absolute Knightの秘密とやらを
聞いていた。
「Ansolute Knightについての秘密とは
一体なんなんだ?」
「まずは彼らの組織についてよ。
大きく分けて2グループに構成されてるの。
1つ目は、
次元の向こうの人間だけで結成された
異次元人だけの上位グループ。
2つ目は、
その下位組織のAbsolute Knightの軍隊、
通称〔ROYAL ARMY〕。
このROYAL ARMYの司令官は
統合前の各国の軍の
元司令官が務めているわ。」
「各国の軍司令官は
それを快く引き受けたと言うのか⁈」
「いや、
ほとんどの司令官は辞退したわ。
それもそのはず
世界大戦で殺し合った者同士だからね。
でもAbsolute Knightは、
そこまで計算済みだったの。」
「世界大戦同様に虚言で取り込んだのか?」
「いや違うわ…
各国司令官に
《ブレインオペレーション》という
特殊な脳外科手術を施したの。
それは記憶を自在に操る悪魔の医術、
各国司令官はいとも容易く
引き込まれていったわ。」
「それがROYAL ARMYか…。」
「そう…。
でも凄いのは上位組織よ。
まず人数は7人、
それぞれ階級があって
一人ずつ異名があるの。
下から順に、
ゲイル「破戒」
ホーク「飛翔」
ヘイズ「幻影」
ペイン「悲痛」
ノヴァ「神威」
サーガ「神獅」
ディーヴァ「神姫」
更にその上に
最高位パラディン「絶対神」
という人がいるらしいの。
私が知っているのは、
ヘイズ、サーガ、ディーヴァの3人。
それぞれに専用機があって、
高性能さはもちろん
機能も機体ごとにかなり特出してるわ。
ヘイズは姿を消せる機体、
サーガは破壊力重視の金獅子のような機体、
ディーヴァは敵機をジャックできる機体よ。
7人衆の長が機体ジャックを使うとなると
パラディンはどうなるか
検討もつかないわね…。」
「そうか…
サーガ…奴の異名は神獅か。
一体どんな機体なんだ…?」
「真っ黒な機体で
本体の各所に金の内部骨格が見えてるの。
おそらくその容姿から神獅の異名が
ついたのね。
武装は右手に狙撃用武装
のようなものがあって
左手には爪が装備されているわ。」
「なるほど…
やはり遠近どちらも対応しているか…。」
「サーガを知ってるの?」
「あぁ…君と再会した時が、
まさにサーガと戦った直後だったんだ。」
「そうだったのね…。」
「だが奴は父上の機体、
ヴレイジングに乗っていた。
おそらく遠隔操作だったと思うのだが
それは何か分かるか?」
「それは多分、研究所からの
遠隔操作だと思う。
研修の時にちらっと見たんだけど
巨大な電波送信機があったわ…。」
「やはりそうだったか…。」
「その戦いはどうなったの?」
「それが、
俺とアークを同時に相手して
互角だったんだ…。
そして最後に奴は
ビームサーベルから
光の柱を発生させたんだ。
俺もオーバーロードで対抗したが
光が消えた時にはもう姿がなかった。」
「なるほど…。
ならヴレイジングは更に強化したほうが
よさそうね…。」
「あぁ…、
これは俺が設計したから分かる事だが
トライフルはアークの腕次第で
異常な程の性能を出せる…。
だから、
トライフルのように
乗り手の腕次第で強くなる機体と違い
特殊な力で強くなる俺のヴレイジングと
ヴェガのアイリスを
ヴレイジング並みの性能にする必要がある。」
「そうね…。」
「だが、まずはヴェガの機体が先だ。
作業に取り掛かるぞ!」
「おうっ!」
そう言いながらヴェガが立ち上がり
上着を腰に巻いた。




ーそしてニムとヴェガの模擬戦後。

「アーク、やることができた。」
「おっ!なんだなんだ?」
「お前も知っての通り、
次の戦いでサーガを倒す。
そのための機体強化をする!」
「よしきたっ!
ただ、その合間でヴェガ姉さんと
特訓をやらせてくれ!」
「あぁ、構わんぞ。
「みっちり鍛えてあげるね!」
「おうッ!」
「機体強化は主にヴェガのアイリスだ。」
「アイリスはかなり完成されてるけど
どこを強化するの?」
「白兵戦は完璧だ。
だからこそ全環境においての
標準値を上回る性能を引き出させる。
…変形機構の追加と装甲の強化、
更には武器の追加だ。」
「おぉ…それまた大胆ね…。」
「その両刃槍を更に使い易くするぞ。」
「わお!それは嬉しい!早速始めようか!」
2機は格納庫に戻り、
早速作業が開始した。



ー3週間後…
ヴェガの機体強化が
後はプログラミングを残して完成という頃…

ヴー・・・ヴー・・・・
突然格納庫内に警戒音が鳴り響く。
そしてスピーカーにノイズが走る…。

《やぁ…諸君…》

「この声…サーガかッ!」
「…格納庫内のスピーカーだと⁈
一体どこにいる⁈」
《外に出てみろ…》
3人は急ぎ外へ走った。
そこで見たのは漆黒の獅子のような
機体だった…。
{5109E1C4-A3E5-470D-ADB6-AE5F5D244385:01}
「…こいつが……神獅…。」
《ユニコーンガンダム ヴルート…
残酷という意味だが、
諸君の最期にはお似合いの言葉だろう…。》
「…違うな。
貴様は今、此処で殺す。
最期を迎えるのは貴様だ。」
「兄貴…殺るぞ!」
「私も機体の最終調整を終わらせて
すぐに加勢するわ!」
ヴェガが格納庫へ走っていく。
「いや、君が来るまでには
終わらせる…。」
《…神を相手に随分と強気だな…ニム…》
「貴様…また遠隔操作か?」
《安心しろ…身体は此処にある…》
「なら今度こそぶっ殺せるぜ」
「あぁ…、行くぞ!アーク!」
「おうッ!」
2人が格納庫の機体へ乗り込む。
「アーク ラインハート
ガンダムトライフル
行くぞッ!」
「ニム ラインハート
ヴレイジング ガンダム フルウイング
発進するッ!」
2機が飛び立っていく。

《…来い…始末してやる……》
サーガが爪を構える。
{06AB1997-CC4A-4B94-A036-9BAE8261A109:01}



ー続く。
起動戦士ガンダム
Absolute Knight
     Episode 3
      「IRIS」



ーノウズ島格納庫
「なぁ、ヴェガ姉さん。
兄貴とはいつ結婚すんだ?」
ニムの頬が少し赤くなる。
「さぁねー、ニムはまだ
17歳で結婚できないからねー。」
「おい、アーク。
あまり兄をからかうな。」
「へへっ、兄貴顔赤くなってんじゃん。」
「あははっ、
ニムったら可愛いとこあるのね。」
「お前ら…」
他愛もない会話が格納庫に響いていた。
ヴェガが仲間に加わってからは
今までとは違う柔らかな空気が流れていた。


ー「で、これからどうするんだ?」
アークの急な問いかけに
ニムの面持ちが渋る。
「問題はヴェガだ…。」
「ヴェガ姉さんには、
俺らが出撃している間は
待っててもらうしかねぇじゃん。」
「それなら大丈夫よっ!
私、自分の機体あるから!」
「「なんだって⁈」」
「まぁ…まだ設計データ段階だけど…」
「…だ…だよなぁ…マジ焦ったわ…」
「あぁ、…だが設計データは
どこで手に入れたんだ?」
「これはねぇ、Absolute Knightの
研究所から持ってきたの!」
「ちょっと待て…
そんな簡単に持ち出せるはずがない。」
「新人研究員の研修に紛れ込んだの。
ニムの情報が目当てだったんだけど
それはあっさり手に入ったから
ついでに最新の技術も持ってこうと思って
持ってきちゃった!」
「そうだったのか…」
「ヴェガ姉さんマジすげぇな!」
「で、そのデータとやらは
どんなものなんだ?」
「ちょっとパソコン借りるね!」
画面に映し出されたのは
槍を2本装備した白兵専用機と思われる
純白の機体だった。
背部には最新式の推進機能を有する
起動装置が搭載されていた。
「…なんだこいつは⁈」
「第4世代⁈」
核エンジンで動くニム達の機体と違い
この機体は太陽光で動く機体だった。
機体のパワーはさほど変わらないが
稼働時間は、理論上ほぼ無限と言っていい。
「私これ乗りたいなぁ。」
「…いや、ダメだ。
君を危険な目に合わせる訳にはいかない。」
「私だって腕はあるのよ。」
「ヴェガ姉さん、
モビルスーツに乗ったことないだろ?」
「これでも私、
研究員の中ではトップだったのよ?」
「そんな馬鹿な⁈
この3年間でマスターしただと⁈」
「厳密に言うと特訓したのは1年よ。」
「…ありえん。」
「じゃあ、俺と模擬戦やって決めようぜ!」
「お!相手になるわよ。
アークなら1分で倒せるわね。」
「言ったな、ヴェガ姉さん。
兄貴、条件は
3回戦ってヴェガ姉さんが全勝したら
俺らの戦列に参加、でいいか?」
「…全勝かつ内容次第だな。」
「まぁいいわ!決まりね!」


ーノウズ島海上。
ニムは海岸に立ち
2人の機体と無線で話していた。
「どうだ?機体にはだいぶ慣れたか?」
「このヴレイジングって機体すごいよ…
こんなに融通が効く機体は初めて。」
「お父様のヴレイジングから
かなりブラッシュアップしてあるからな。
アーク、そっちはどうだ?」
「あぁ、いつでもいいぜ。」
アークの駆るガンダム トライフルは、
ファトュムを外した状態で
背部の起動バインダーのみを装備していた。
「よし、ではルールの確認だ。
射撃は禁止の白兵戦のみの戦闘だ。」
「「了解!」」
「それでは…はじめっ!」

ヴェガ機が一気に間合いを詰める。
それからは一瞬の出来事だった。
アーク機とヴェガ機の
剣がぶつかった瞬間、
巧みな剣さばきで
アーク機のロングソードを弾き飛ばし
刃を消したサーベルを首元に突きつけ
早々に1回戦が終了した。
「……それまで…。…タイム10秒だと…⁈」
「この俺が圧倒された…
この感覚…あのサーガと同じだ…。」
「えっへん!私強いでしょ?」
「あぁ…正直驚いた。だがまだ分からん…
続けて2回戦…、はじめっ!」

ー合図と共にヴェガ機が
再び間合いを詰める。
さすがにアーク機に同じ手は通じず
つば競り合いになる。
「ふふ…やるじゃない。
でもやっぱりアークは単純ね。」
ヴェガ機はサーベルの刃を消し、
バランスを崩したアーク機がよろめく。
その刹那、
ヴェガ機がアーク機の背後に回り
サーベルを突きつけ2回戦が終了した。 
{A421664E-D94F-40C0-A048-0B3608236608:01}

「あ…兄貴…ヴェガ姉さん強ぇぞ…」
「あのアークがここまで圧倒されるとは…」
「もう決まりでいーい?」
「いや、最後は俺が相手になる。」
「マジで⁈でも兄貴、機体どうすんだ?」
しばらく沈黙が流れる。
「…今から作る。」
ニムが小さな声で言った。
「はッ⁈今からって
意味分かんねぇよ。」
「…それは私が戦線に参加するで
いいって意味かな?」
ヴェガが笑いを堪えながら言った。
「そうだよ、完成して模擬戦やって
兄貴が勝ったらどうすんだ?」
「そうなった場合、機体が余る。
仕方なくヴェガには出撃してもらおう。」
ニムがむすっとした表情になる。
「……兄貴って意外とツンデレなんだな。」
「ニムってやっぱり可愛いとこあるのね。」
2人の笑い声がノウズ島に響く。
「いいから戻ってこい!
早速始めるぞ!」



ーそれから3カ月。
「ふぅ…完成だ。」
「すごいね、最新の推進器を
たったの3ヶ月で作っちゃうなんて…」
「力仕事は全部俺だったけどな!」
「アークはそういうの得意でしょ!」
ヴェガがにっこりと笑う。
「ヴェガ、こいつの名前を
決めてやってくれ。」
「え…唐突だなぁ。
うーん…と…。
よし!決めたっ!アイリス!」
「なぁ、アイリスってどういう意味だ?」
「アイリスは神様の名前。
虹を司る神様なんだ。
いつかこの世界に
平和と言う名の虹を掛けたい。
だからアイリスって名前にしたの。」
「ヴェガ姉さんらしいな!」
「よし、決まりだな。
アイリスで登録しておく。」
「あいよっ!」

【VE-01S GUNDAM IRIS】 
{4F366836-8BE0-4CE1-9926-29EEF4D729A4:01}

ー「さぁ、兎にも角にも機体テストだ。
設計データに無かったものを
いくつか搭載してあるからな。」
「うん!
でもどうせなら模擬戦やろーよー。」
「そうだよ兄貴ッ!
そっちのが分かりやすいって!」
「…分かった。
では3カ月前の続きといこうか。」
「やったぁ!」

ー再びノウズ島海上。
「ルールは前回と同じだ。」
「おーっし!了解っ!」
「いくぞっ!」
合図と同時に2機が向かい合っていく。
そして凄まじい轟音と共に
火花が飛び散る。
{40071621-4038-4907-9999-B889295BBACB:01}


「あれはヴレイジングガンダムの
強格闘兵装Hカレトヴルッフ…
兄貴の奴本気じゃねぇか…」
しかしヴェガの駆る機体、
【ガンダム アイリス】も
負けてはいなかった。
「これならっ…!
両刃槍GNパルチザンッ!」
ガンダムアイリスは機体と同サイズの
両刃槍を2本同時に軽々と操っている。
そして、
ヴェガの不規則なランス攻撃が始まる。
「くっ…やるな…、だがッ!」
ヴレイジングはHカレトヴルッフを
もう一振り手にし、二刀流となった。
再び2機が激突し
激しいつば競り合いになる。
「ニム、これはどうっ?」
アークとの第2戦同様に
ランスの力を抜きヴレイジングの
機体バランスを崩そうとする。
しかしニムには通用せず
ランスを突きつけられた瞬間に
高速変形でそれをかわす。
そしてそのまま旋回し、
一気に間合いを詰めると
今度はハイパービームソードを構え、
そのまま突進していく。
間一髪の距離でアイリスはそれをかわし
再び距離が開く。
「すげぇ…兄貴相手に互角じゃねぇか…」
2機は距離を保ちつつ
様子を伺い合う。
そして互い動きが止まった時、
ニムの機体へ通信が入る。
「ニム、とっておき…いくよっ!」
【バーストモード発動】
「やはり来たか…
ならばこちらも…」
【オーバーロードモード解放】
雷鳴のような地響きが鳴る。
「ちょ…ちょっと待った!
これじゃ島が沈んじまうぞ!」
慌ててアークが止めに入る。
「…そうだな…。
すまん、つい熱が入ってしまった…。」
「…そ…そうね…。」
「引き分けでいいか?」
「しょうがないなぁ。
それで勘弁してやろうではないかっ!」
「くっ…なぜこんなにも悔しいんだ。」
「島が消えるよりいいだろ…兄貴ィ…」
また3人の笑い声が島に響いた。


ー格納庫内。
ヴェガが額に流れる汗を拭きながら
当然切り出す。
「そうそう。
私、研究所でAbsolute Knightの
とんでもない秘密知っちゃったの。」
「とんでもない秘密…?」
「うん。たしか…
サーガ…って人のことだと思う。」
2人は身を乗り出して口を揃えて言った。
「「サーガだとっ⁈…」」



ーー続く。